アメリカ:若年低所得層向け職業訓練「ジョブ・コア」を停止~連邦労働省、効果疑問視:海外労働情報

アメリカ:若年低所得層向け職業訓練「ジョブ・コア」を停止~連邦労働省、効果疑問視

概要

連邦労働省は2025年5月29日、16〜24歳の低所得層を対象とする職業訓練プログラム「ジョブ・コア」の運営停止を発表した。全米99カ所で約2万5000人が受講中のこのプログラムは、住居・食費提供付きで1〜2年の訓練を実施し、高校卒業資格(GED)も取得できる制度だったが、連邦労働省は4月の報告書で費用対効果を疑問視していた。ロリ・チャベス・デレマー労働長官は「驚くほど多くの重大なインシデントの報告および財政分析の結果、プログラムは本来の目的を果たしていない」として停止を決定した。

停止理由と運営側の反論

労働省の指摘によると、2023年度の平均卒業率は38.6%と低迷し、修了者1人当たりの年間費用は約15万5600ドルと高額で、修了者の平均年収も約1万6600ドルと低賃金に偏っていた。さらに施設内で暴力行為や薬物使用など約1万5000件の深刻な案件が発生していた。一方、全米ジョブ・コア協会は「コロナの影響」と反論し、通常の修了率は60%超、修了者の時給は17.13ドル(年収3万1000ドル以上)で連邦最低賃金の2倍以上と主張している。また、「深刻な案件」には停電や悪天候、運動による怪我、許可なく施設を離れることなども含まれ、ほとんどの施設で暴力行為が常態化しているわけではないと反論している。

トランプ政権の政策方針

トランプ大統領は2026年度予算案に関連し、ジョブ・コアを「米国の若者を支援するための失敗した実験」と発言し、その廃止を求めている。この発言は政権の若年者雇用政策に対する基本的な姿勢を示しており、今回の停止措置の背景にある政治的意図を示唆している。

司法判断と今後の展望

運営事業者らは6月3日に提訴し、ニューヨーク南部地区連邦地裁は6月25日に停止措置の差し止め命令を出した。裁判所は労働省が議会への通知や一般からの意見聴取を行わずに停止措置を講じたのは労働力革新・機会法(WIOA)違反と判断した。さらに、学生7人が別途、行政手続法違反として停止措置の取り消しを求めてワシントンD.C.連邦地裁に提訴している。事業は当面継続されるが、存続の可否は今後の裁判結果に委ねられており、米国の若年者雇用政策の方向性を左右する重要な争点となっている。

※ この要約はAIによって自動生成されました。正確性については元記事をご参照ください。