令和7年度日本型直接支払の実施状況について
概要
農林水産省は、平成27年度から実施している日本型直接支払について、令和7年度の実施状況を取りまとめた。多面的機能支払交付金は昨年度と同水準、中山間地域等直接支払交付金と環境保全型農業直接支払交付金は昨年度に比べ減少した。資料は、各交付金の目的や対象活動、対象市町村数・面積と前年度からの変化を示し、一部の減少要因も説明している。
要点
- 多面的機能支払交付金の実施状況は昨年度と同水準だった。
- 中山間地域等直接支払交付金の実施状況は昨年度に比べ減少した。
- 環境保全型農業直接支払交付金の実施状況は昨年度に比べ減少した。
概要
農林水産省は、平成27年度から「農業の有する多面的機能の発揮の促進に関する法律」に基づき、地域の共同活動による多面的機能の発揮を促進する制度として日本型直接支払を実施している。制度は、多面的機能支払交付金、中山間地域等直接支払交付金、環境保全型農業直接支払交付金で構成される。
公表資料は令和7年度の実施状況を交付金別に整理し、制度目的や対象活動、対象市町村数・面積、前年度との比較を記載している。中山間地域等直接支払交付金と環境保全型農業直接支払交付金については、実施状況が減少した要因も説明している。
詳細
1.多面的機能支払交付金は、農業・農村の多面的機能を維持・発揮するため、農業者等が組織する団体の地域共同活動を支援する。(1)農地維持支払交付金は水路、農道等の基礎的な保全活動等が対象。対象は1,446市町村で前年度より4市町村減、認定農用地は2,329,276haで473ha減だった。
(2)資源向上支払交付金(地域資源の質的向上を図る共同活動)は、水路・農道等の軽微な補修や農村環境の保全活動等を支援する。活動団体には農業者等に加え地域住民を含む必要がある。対象は1,330市町村で前年度と同数、認定農用地は2,088,144haで584ha増だった。
(3)資源向上支払交付金(施設の長寿命化のための活動)は、農業用施設の長寿命化活動を支援する。対象は948市町村で8市町村増、対象農用地は822,500haで15,861ha増。対象農用地面積は、対象組織が交付金算定の対象として事業計画に位置付ける農用地の面積を指す。新たに活動を始めた組織が増えた一方、解散等で組織が減少し、交付金全体は昨年度と同水準だった。
2.中山間地域等直接支払交付金は、平地との農業生産条件の不利を補正し、農業生産活動等を維持して多面的機能を確保することを目的とする。交付市町村は991市町村で前年度より12市町村減、活動対象範囲である協定面積は618,049haで42,907ha減だった。
令和7年度は第6期対策の初年度であり、高齢化や事務負担等を理由とした協定数の減少に伴って、交付市町村数と協定面積が減少した。
3.環境保全型農業直接支払交付金は、化学肥料・化学農薬を原則5割以上低減する取組と合わせ、地球温暖化防止や生物多様性保全等に効果の高い営農活動を行う農業者の団体等を支援する。実施は899市町村で前年度より5市町村増えた一方、面積は84,795haで5,820ha減少した。高齢化に伴う労働力不足による慣行農業への切替や離農が、面積減少の要因とされた。