循環経済行動計画に基づく今後の我が国の循環経済ビジョン|第2章資源獲得競争の激化と日本の循環基盤の課題
概要
世界で一次資源に加え再生資源の獲得競争が進む一方、日本では鉄スクラップや再生プラスチックの海外流出、リチウムイオン電池の原料調達偏在、不適正スクラップヤードの問題が示されている。国内で廃棄物等を資源として活用し、付加価値を生む経済社会システムへの転換が必要とされる。
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要点
- 資源獲得競争は再生資源にも広がっている。
- 日本から鉄スクラップ約770万トンが年間で海外へ輸出されている。
- プラスチックの約8割は焼却・埋立て等されている。
- 国内資源循環を通じた付加価値創出への転換が必要とされる。
概要
中国は重要鉱物の輸出管理を強化し、中国資源循環集団を設立して国内リサイクルに注力している。EUも電子スクラップ等の域外輸出厳格化と、新型車両への再生プラスチック使用義務化を打ち出した。
脱炭素化に伴い、蓄電池、モーター、半導体の生産に不可欠な鉱物資源の需要拡大が見込まれ、資源確保の重要性が再認識されている。
主要数値
- 日本の年間鉄スクラップ海外輸出量
- 約770万トン
- 焼却・埋立て等されるプラスチックの割合
- 約8割
- 国内利用量に対する再生プラスチックの海外流出量
- 約3倍
- 廃棄物処理法改正年
- 2017年
- 廃棄物処理法の法律番号
- 昭和45年法律第137号
- 特定家庭用機器再商品化法の法律番号
- 平成10年法律第97号
- 小型電子機器再資源化法の法律番号
- 平成24年法律第57号
影響
国内資源循環の基盤が脆弱な状態は、廃棄物等の活用による新たな成長機会を逸する状況につながっている。
制度対象外の金属スクラップ等の不適正な保管・処理は、地域で騒音、悪臭、水域・土壌汚染、火災の発生として報告されている。
詳細
再生に回されるプラスチックは、国内利用量の約3倍が海外へ流出しているとの統計がある。
リチウムイオン電池は原料調達を特定国に過度に依存しており、使用済蓄電池の増加が見込まれる。中間処理で得るブラックマスから、リチウム等を回収することが重要とされる。
高品質な鉄・非鉄金属・プラスチック等を使う自動車では、中古車の輸出台数増加が資源流出につながるとの指摘がある。
2017年の廃棄物処理法改正で有害使用済機器保管等届出制度が創設された。家電リサイクル法と小型家電リサイクル法の対象機器を、保管又は処分業として扱う場合は届出が義務付けられている。