時代の要請にこたえた国土交通行政の展開

概要

能登半島地震・豪雨、東日本大震災、福島の原子力災害からの復旧・復興の進捗と、津波防災、国土政策、インフラの維持管理、社会資本整備、交通・海洋・土地政策などの施策を記述する。国土形成計画や社会資本整備重点計画、交通政策基本計画等を軸に、人口減少やインフラ老朽化、交通空白、海洋安全保障などの課題に対応する制度・計画・支援策を示している。

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要点

  • 能登半島地震・豪雨では切迫した被災箇所の応急対策が終了し、インフラの機能回復対策や本復旧が進む一方、東日本大震災の被災地域は復興の総仕上げ段階にある。
  • インフラ老朽化への対応として、予防保全への転換や複数自治体・分野の施設をまとめて管理する取組を進めている。
  • 国土形成、社会資本整備、交通政策の計画を連携させ、人口減少下の地域づくりや国土強靱化などを進める。
  • 地域交通の「交通空白」解消に向け、自治体・交通事業者・企業等の連携や支援を展開している。
  • 海洋政策では、海上保安能力の強化、海洋情報の整備、海洋権益や低潮線の保全などを推進している。

概要

本章は、復旧・復興から国土・社会資本の計画、交通、海洋、土地、官民連携、政策評価まで、国土交通行政の施策を扱う。人口減少や高齢化、災害リスク、インフラ老朽化などを背景に、地域の将来像や施設の維持管理を見据えた計画・制度の実施を説明している。

影響

地域交通は、買い物・医療・教育など日常生活に不可欠なサービスへのアクセスを担うと説明されている。

インフラは地域の豊かさを支える基盤であり、ストック効果の分析と効果を高める取組が重要とされている。

詳細

能登半島地震・豪雨では、インフラ復旧やまちの復興を被災者の暮らし・なりわい再生の前提とし、地元の声を聞きながら事業を進めてきた。切迫した被災箇所の応急対策はすべて終了し、機能回復対策と本復旧が進捗している。東日本大震災の地震・津波被災地域は基幹インフラの復旧・整備や復興まちづくりが総仕上げ段階にある。福島の原子力災害被災地域では、令和8年度からの5年間、住民帰還に必要なインフラ整備を進め、避難指示解除を目指す区域で除染と合わせた復旧、市街地整備、観光振興に取り組む。

「津波防災地域づくりに関する法律」に基づき、令和8年3月末時点で津波浸水想定を40都道府県、津波災害警戒区域を31道府県が設定・指定し、津波災害特別警戒区域は静岡県伊豆市で指定、総合推進計画は24市町で作成された。東日本大震災被災地では24地区の津波防災拠点市街地形成施設が都市計画決定されている。国土交通省は支援チームを設置し、地方公共団体の取組を支援する。

国土政策では、国土形成計画が「新時代に地域力をつなぐ国土」を掲げ、全国的な回廊ネットワークや日本中央回廊を通じたシームレスな拠点連結型国土を目指す。第六次国土利用計画は、地域全体の利益、災害リスクを踏まえた土地利用、生態系の確保を基本方針とし、優先して維持する土地の明確化や粗放的・最小限の管理を含む「国土の管理構想」を進める。広域地方計画の策定も進め、令和7年10月に中間とりまとめ案を公表した。

インフラ老朽化対策では、平成25年のインフラ長寿命化基本計画を受け、平成26年5月に国土交通省の行動計画を策定し、令和3年6月に改定した。個別施設の長寿命化計画、点検、新技術の導入、地方公共団体への技術・財政支援を進める。平成30年の推計では、事後保全から予防保全に移行すれば今後30年間の維持管理・更新費を累計で約3割縮減できる見込みを示した。令和7年10月には「群マネの手引き Ver.1」を公表した。

第6次社会資本整備重点計画は第3次交通政策基本計画と一体的に策定され、令和8年から令和12年度までの重点目標を設定した。国土強靱化の第1次実施中期計画は令和8年度から12年度までを計画期間とし、施策内容・目標を定める。地方ブロック計画や「インフラみらいマップ」で事業概要、完成時期、事業効果を示す。

「交通空白」解消方針は令和7年度から9年度を集中対策期間とし、自治体への訪問や支援ツール提供、マッチング、実証事業などを行った。令和7年4月には地域交通DX推進プロジェクト「COMmmmONS」を始動し、共同配車管理システムの開発・公開等を進めた。官民連携プラットフォームでは令和7年度末までに1,644団体が参画し、パイロット事業30件を公表・展開。令和8年3月には地域交通法改正案を国会に提出した。

海洋政策は第4期海洋基本計画と海洋開発等重点戦略に基づき、海上保安能力の強化、旅客船の安全、洋上風力、ゼロエミッション船、海洋ドローン、海洋情報整備などを進める。海上保安庁は巡視船・航空機の増強、新技術、関係機関との連携、人材確保・育成を推進し、令和7年度には大型巡視船4隻、中型ヘリコプター1機、無操縦者航空機2機が就役した。領海・排他的経済水域の調査、海洋情報クリアリングハウスと「海しる」の運用も記載される。

土地政策では、所有者不明土地や管理不全土地への対応として法制度を整備し、空き地の適正管理・利活用ガイドラインを令和7年4月に公表した。土地取引の事後届出事項に、個人の国籍等を令和7年7月施行で追加し、法人の設立準拠法国等は令和8年4月施行で追加した。地籍調査は令和2〜11年度の第7次国土調査事業十箇年計画に基づき、手続の効率化やリモートセンシング活用を進める。

官民連携ではPPP/PFIの普及、案件形成支援、官民対話やマッチング等を実施する。政策評価は施策の進捗測定、テーマ別レビュー、公共事業・研究開発課題などを対象とし、令和7年度は44施策目標、116業績指標、3テーマを評価した。事業評価では採択時・再評価・完了後評価を行い、評価カルテを公表する。国土交通ホットラインには月平均約1,900件の意見等が寄せられ、事業者の行政処分履歴を検索できるサイトも公開している。

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