令和8年版 水循環白書|第1章令和8年版 水循環白書「流域連携の推進等 ― 流域の総合的かつ一体的な管理の枠組み ―」

概要

水循環基本法第12条に基づく、令和7年度に政府が講じた水循環施策の報告。特集は、健全な水循環の維持・回復には流域全体を視野に入れた連携が重要だと説明し、流域マネジメントの枠組みや計画の策定・深化、流域総合水管理、手引きの改定、水循環アドバイザー派遣を取り上げる。令和7年度に3計画を公表し、累計85計画となったほか、7地方公共団体を支援した。

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要点

  • 水循環基本法第12条に基づき、政府は令和7年度に講じた水循環施策を国会へ報告する。
  • 課題解決には、多様な主体が分野を越えて情報や課題への共通認識を持ち、将来像を共有する取組が重要とされる。
  • 令和7年度に3計画を公表し、令和8年3月末時点で累計85計画となった。
  • 令和7年度は水循環アドバイザー制度により7地方公共団体を支援した。

概要

水循環基本法(平成26年法律第16号)第12条は、政府が毎年、水循環に関する施策の報告を国会に提出するよう定める。本編は令和7年度に講じた施策を報告する。

章題は「第1章 流域連携の推進等 ― 流域の総合的かつ一体的な管理の枠組み ―」。特集は、水循環が上流から下流へ面的に広がり、地表水と地下水を結ぶ立体的な広がりも持つことを踏まえ、問題箇所だけでなく流域全体を視野に入れる考え方を示す。

課題の例は水量・水質の確保、水源の保全とかん養、地下水の保全と利用、生態系の保全。近年は、気候変動の影響で激甚化・頻発化する水災害への対策や、水循環を地域資源として活用する地域振興の取組も広がっている。

影響

流域治水、水利用、流域環境の保全を一体的に進める流域総合水管理は、「水災害による被害の最小化」と「水の恵みの最大化」などの実現を目指す。

鳥羽市では、森林から河川・海域に至る水循環の改善と海域の水産資源の回復等に資する取組を支援するため、森林施業候補地の調査・検討や、水循環データの計測・分析方法への助言が行われた。

詳細

水循環基本計画(令和6年8月30日閣議決定)は、流域の総合的かつ一体的な管理の理念を具体化する「流域マネジメント」の考え方を明確化した。流域ごとに関係主体で構成する「流域水循環協議会」を設置し、基本方針等を定める「流域水循環計画」を策定して、計画に基づき施策を進める。流域全体を一人の管理者が管理するのではなく、森林、河川、農地、都市、湖沼、沿岸域、地下水盆等で、公的機関、有識者、事業者、団体、住民等が連携して活動する枠組みである。

政府は平成28年度から、全国の流域水循環計画を一覧で公表している。令和7年度の公表は、静岡県の「太田川圏域流域水循環計画」、仙台市の「広瀬川創成プラン」、八王子市の「八王子市水循環計画」で、後二者は既存計画の改定。地下水保全が重要な地域や水を生かした地域振興に取り組む地域等で、計画の策定や深化を推進する。

令和7年6月、国土審議会の部会と社会資本整備審議会の小委員会が「流域総合水管理のあり方について」答申を取りまとめた。政府は答申を踏まえ、各流域の特性に応じて、流域全体の関係者が協働する取組を順次展開する。

「流域マネジメントの手引き」は、協議会の設置、計画策定、資金確保等の実務手順をまとめたもの。平成30年7月に策定、令和6年1月に改定され、水循環基本計画の変更や工程表に基づく取組を踏まえて、令和8年3月に2回目の改定が行われた。改定版を周知し、計画づくりに取り組む地方公共団体等へアドバイザー派遣などの支援を行う。

令和2年度から、要請に応じて地方公共団体等へ水循環アドバイザーを派遣し、技術的な助言・提言を行っている。令和7年度は7地方公共団体を支援。実施例には、静岡市の水資源・地下水利用、愛知県の田んぼダム、伊賀市の地下水実態把握、中讃広域行政事務組合の地下水影響調査と水質検査体制、小諸市での高校生の参画、松山市の長期的な水需給計画改訂がある。

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