地域活性化の推進—地域未来戦略の推進に向けた取組
概要
人口減少や東京一極集中の流れを変えるまでには至らず、地方部では人口減少に伴う消費減少による経済縮小が懸念されている。政府は「強い経済」の実現に重点を置く「地域未来戦略」を進め、国土交通省も従来の地方創生に加えて施策を推進・充実する。交付金、官民連携、都市機能と交通の連携、基盤整備、広域連携、生活交通や各地域の振興などを扱う。
要点
- 国土交通省は従来の地方創生の取組に加え、「地域未来戦略」の推進に向けて施策を推進・充実する。
- 地方公共団体の自主性や民間のノウハウ・資金を生かした地域活性化を支援する。
- 都市機能と公共交通の連携、地域特性に応じた基盤整備、広域連携、生活交通の確保を進める。
- 離島、奄美群島、小笠原諸島、半島地域、北海道などで、特性に応じた振興を支援する。
概要
平成26年に「地方創生」を開始して以降、全国で就業機会の創出、出産・子育て支援、生活必需サービスの維持・確保、移住支援などが行われてきた。しかし、人口減少や東京一極集中の流れを変えるまでには至っていない。地方部では人口減少に伴う消費減少による経済縮小が懸念される。
政府は「強い経済」の実現に重点を置き、世界をリードする成長分野のクラスターと地域発のクラスターを全国各地に形成し、地方から日本を成長軌道に押し上げる方針を掲げる。
影響
コンパクト・プラス・ネットワークは、居住や都市機能の集積を通じて生活利便性やサービス産業の生産性を高め、地域経済の活性化、行政サービスの効率化、行政コストの削減を図る政策手段とされる。
交通モード間の接続強化は、人とモノの流れや生産性を促し、地域活性化や災害対応の強化につなげる。離島航路・航空路は住民の日常生活や医療を支える交通手段である。
詳細
地域未来交付金は令和7年度補正予算で創設され、令和8年度予算にも計上された。産業クラスター計画や地場産業の成長戦略などを支援し、地方公共団体の案件形成や事業実施を後押しする。地域づくり表彰は昭和59年度から実施され、令和7年度は32件の推薦から10件を表彰。手づくり郷土賞は昭和61年度から実施され、令和7年度は一般部門10件が受賞した。
民間都市開発推進機構は、国土交通大臣の認定を受けた民間都市開発事業への出資などを支援する。機構が地域金融機関や地方公共団体等と設立するまちづくりファンドは、リノベーション、クラウドファンディング、寄付を活用した事業を支援する。スモールコンセッションでは、廃校や古民家等を活用する小規模PPP/PFIの普及啓発と構想策定を支援する。
立地適正化計画制度は医療・福祉、住宅、公共施設再編、防災などと連携する。令和7年12月末時点で947市町村が計画作成に向け具体的に取り組み、650市町村が作成・公表済み。地域公共交通計画は令和7年度末に1,244件が公表済み。完了期間宣言路線は令和7年4月時点で55事業主体132路線。
バスタプロジェクトは令和7年度に全国7か所で事業を推進し、15か所で交通拠点の機能強化を調査した。道の駅、河川・海岸の協力団体、みなとオアシスなどを通じた地域交流や振興の取組も進める。
地域公共交通ではバス、地域鉄道、離島航路・航空路を支援し、交通空白の解消や日本版ライドシェアを進める。離島航路は令和6年度に276航路、輸送人員需要は39百万人で、過去5年に約5%減少した。令和8年3月末の補助対象航路は127航路。令和7年度の離島航空路線62路線のうち20路線が国庫補助対象で、機体購入費・運航費補助、着陸料・航空機燃料税の軽減措置を講じる。
広域連携では令和7年度に40府県が35の共通目標を掲げ、延べ83の府県別計画を作成した。連携中枢都市圏は令和7年4月時点で38圏域。二地域居住では令和6年11月施行の改正法を基に、市区町村の計画づくりや支援法人の育成を進め、「住まい」「なりわい」「コミュニティ」の環境整備を支援する。
豪雪地帯は532市町村が指定され、国土の51%を占める。離島、奄美群島、小笠原諸島、半島地域では産業振興、交流促進、社会資本整備などを支援する。北海道総合開発の第9期計画は食料安全保障、観光立国、ゼロカーボン北海道を掲げ、生産空間の維持・発展と強靱な国土づくりを進める。