PwC調査概要
プライスウォーターハウスクーパース（PwC）が6月26日〜7月9日に米国消費者4,000人を対象に実施した2025年米国年末商戦調査結果。2025年年末商戦期間の個人支出は前年同期比5%減少予想で、2020年以降最大の落ち込み。1人当たり平均支出予定額は1,552ドル、贈答品への支出が最大の減少要因。
世代別支出動向の格差
Z世代（17〜27歳）: 平均支出額前年同期比23%減と全世代で最大の減少幅。2024年の37%増から大幅減少へ転換。インフレ・雇用市場不安・新たな経済負担が支出抑制要因。
その他世代: ミレニアル世代（28〜43歳）1%減でほぼ横ばい、X世代（44〜59歳）2%増、ベビーブーマー世代（60〜78歳）5%増と世代間で明確な差。
Z世代の経済的背景
PwC消費市場業界リーダーのアリ・ファーマン氏分析によると、新卒者に厳しい雇用市場で多くの若年層が貯蓄なしで人生の転換期を迎えている状況。初回住宅購入・家族形成等の大きな支出を抱える中、より慎重な予算立てが必要となっている。
価格重視の消費行動
2025年年末商戦では世代を問わず価格重視傾向が顕著。回答者78%がより安価な代替品を求め、65%がホリデーシーズン後の大幅値下げを期待。過去1年間で「割引」「クーポンコード」のインターネット検索数が前年比11%増加し、消費行動の慎重さが数値で確認される。
トランプ政権政策の影響
回答者84%が今後6カ月間での支出全般削減を予定。特に外食（52%）、衣類（36%）、高額商品（32%）で削減が顕著。トランプ政権の関税政策による物価上昇と景気先行き不透明感が消費者信頼感に警戒感を高めている。7月小売統計では値上げ前の駆け込み需要で消費伸長も、関税による価格転嫁本格化により個人消費持続性への懸念が拡大している。