【インフレ懸念が再上昇】 経済誌「エコノミスト」と調査会社ユーガブが9月10日に発表した米国の経済状況に関する世論調査によると、インフレを予測する割合は50％と高く、7月に4割台に下がっていたが、再び上昇した。8月の雇用統計で労働市場の減速が見られたことを受け、経済の先行きへの不安が高まっている。
【経済状況への厳しい評価】 現在の米国の経済状況について、「ひどい」が39％と最も高く、7月初旬（28％）から上昇した。続いて「まずまず」（32％）、「良い」（22％）、「非常に良い」（5％）となった。
【個人収入の変化】 過去12カ月で個人の収入変化については以下の結果となった：
- 「増加した」：22％
- 「減少した」：23％
- 「変化なし」：49％
性別では男性（26％）が女性（19％）より収入増加の回答が多く、人種別では収入増加はヒスパニック（25％）が最も高い一方、黒人では収入減少の割合が33％と最も高かった。
【政治的支持率と政権評価】 ドナルド・トランプ大統領の支持率は41％と前週から横ばいだった。NBCニュースの世論調査では、トランプ政権の状況に対する感想として「激怒」（21％）と「不満」（20％）が上位を占めた。
【スタグフレーションの懸念】 ノースライト・アセット・マネジメントの最高投資責任者クリス・ザッカレッリ氏は、米国で今週発表されるインフレ指標によっては、スタグフレーションの懸念が上昇する可能性を指摘。「雇用市場の悪化はFRBによる今秋の利下げを容易にするだろうが、最近の株価の上昇相場に冷水を浴びせる可能性もある」と言及した。