財務省が令和7年8月上中旬(1日~20日)の貿易統計速報を発表し、輸出入ともに前年同期比で減少したものの、貿易赤字は18.2%縮小しました。
貿易総額(原値)
輸出
- 5兆1,305億9,400万円(前年同期比2.3%減)
- 前年同期:5兆2,538億400万円
輸入
- 5兆6,590億8,800万円(前年同期比4.1%減)
- 前年同期:5兆9,001億5,000万円
貿易収支
- 5,284億9,400万円の赤字(前年同期比18.2%縮小)
- 前年同期:6,463億4,600万円の赤字
統計の特徴と留意点
価格基準
- 輸出:FOB価格(本船渡し価格)で計上
- 輸入:CIF価格(運賃・保険料込み価格)で計上
- 特例輸入申告制度による輸入は、輸入(引取)申告時の価格を使用
計上時期
- 輸出:貨物を積載する船舶または航空機の出港日
- 輸入:輸入許可日(蔵入貨物等は各承認日)
経済的意義
8月上中旬の貿易統計では、輸出入ともに前年同期比で減少を記録しましたが、輸入の減少幅(4.1%)が輸出の減少幅(2.3%)を上回ったため、貿易赤字は約1,179億円縮小しました。これは貿易収支の改善傾向を示しています。
輸出の減少は世界的な需要の鈍化や円高傾向の影響が考えられ、輸入の減少はエネルギー価格の落ち着きや国内需要の変化を反映している可能性があります。
なお、本統計は月の上中旬(20日間)のみを対象とした速報値であり、月全体の動向を把握するには月次確報値を待つ必要があります。