平成25年生活扶助基準改定に関する最高裁判決への対応について

概要

平成25年の生活扶助基準改定をめぐる令和7年6月27日の最高裁判決は、デフレ調整に係る判断過程・手続に過誤、欠落があったとして改定を違法と判断した。厚生労働省は謝罪し、専門委員会や国・地方の協議を経て、原告・原告以外を区別しない保護費の追加給付と、原告への特別給付金を柱とする政府方針を決定。対象者、対象費目・期間、給付額の算定方法を示し、令和8年3月1日から特例を適用して自治体と連携して給付に取り組む。

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要点

  • 最高裁は、物価変動率のみを直接の指標としたデフレ調整について判断過程・手続の過誤、欠落を認め、改定を違法とした。
  • 政府は原告・原告以外を区別せず、高さ調整▲2.49%の水準で追加給付を行う。
  • 原告には、高さ調整を行わない水準との差額相当分を特別給付金で支給する。
  • 特例は令和8年3月1日付けで適用された。

概要

令和7年6月27日の最高裁判決は、平成25年から実施した生活扶助基準改定について、デフレ調整に係る厚生労働大臣の判断過程と手続に過誤、欠落があったと指摘し、違法と判断した。厚生労働省は、追加給付を行う結果となったことを深く反省し、原告を含む国民に謝罪している。

判決後、社会保障審議会生活保護基準部会に専門委員会が設けられ、令和7年11月18日に報告書を取りまとめた。国と地方自治体は同年10月から実務者協議を行い、11月には厚生労働大臣と自治体首長級の協議を開催した。これらを踏まえ、11月21日に対応の方向性が公表された。

判決主文は大阪訴訟・名古屋訴訟の原告に対する当時の保護変更決定処分を取り消し、国への国家賠償請求は棄却した。理由では、ゆがみ調整について客観的数値との合理的関連性等に欠けるとはいえない一方、物価変動率のみを直接の指標にするデフレ調整は専門的知見との整合性を欠き、違法とされた。

影響

厚生労働省は、判決で改定が違法とされたことと追加給付を行う結果となったことについて、原告を含む国民に謝罪した。

詳細

政府は生活保護法第8条第2項と第2条の無差別平等原則を踏まえ、原告・原告以外に一律の追加給付を行う方針を示した。原告には、争訟の一回的解決を図るため、高さ調整を実施しない水準に相当する分を保護費に代えて予算措置の特別給付金で支給する。令和7年度補正予算には追加給付等の経費が計上され、令和7年12月16日に国会で成立した。令和8年2月20日付けで特例告示が公布され、3月1日から適用された。

対象者は、算定対象期間に保護基準に基づき、基準生活費、入院患者日用品費または介護施設入所者基本生活費が算定された人で、現在保護停止中または保護廃止となった人も含む。

対象費目は、居宅の第1類・第2類基準額、地区別冬季加算額、期末一時扶助費、救護施設等の基準生活費、各種加算、入院患者日用品費、介護施設入所者基本生活費、未成年者控除である。各種加算には妊産婦、障害者、介護施設入所者、在宅患者、放射線障害者、母子の加算が含まれる。未成年者控除は令和4年4月以降、20歳未満控除に名称変更された。

対象期間と給付額は、受給状況、算定された費目および期間により異なる。第1類・第2類基準額と母子加算の在宅者分は平成30年9月までが対象。地区別冬季加算額は原則として平成25年8月から平成27年9月までが対象で、ただし第2類および救護施設等に限る。これらの期間は、それぞれ平成30年10月および平成27年度の水準見直しを踏まえたものと説明されている。

給付額は、平成25年当時のデフレ調整改定率を、専門委員会の議論を踏まえた消費実態に基づく高さ調整改定率に置き換えた場合の差額相当額とする。算定対象期間に適用された保護基準による算定額に、差額相当額を算出する給付率を乗じて算出する。

厚生労働省は自治体と連携して追加給付に取り組む。また、厚生労働省委託事業として「最高裁判決を踏まえた保護費の追加給付相談センター」を開設している。平成25年改定はデフレ調整と、基準部会の検証に基づく年齢別・世帯人員別・級地別基準額のゆがみ調整という二つの考え方に基づいていた。

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