第67回厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会 議事録
概要
令和8年7月7日の第67回指定難病検討委員会では、令和8年度実施分として情報提供のあった20疾患を審議した。脳白質脳症及び全身症状を伴う網膜血管障害、先天性胆汁酸代謝異常症(脳腱黄色腫症を除く)、先天性血小板機能異常症、シュニッツラー症候群は承認された。原発性肝内結石症とPeutz-Jeghers症候群は要件を満たさないと判断され、遺伝性掌蹠角化症と家族性化膿性汗腺炎は長期療養の要件について判断困難とされた。神経核内封入体病、慢性活動性EBウイルス感染症などは追加検討が必要とされた。
要点
- 令和8年度実施分として、20疾患の新規追加を審議した。
- 承認されたのは、脳白質脳症及び全身症状を伴う網膜血管障害、先天性胆汁酸代謝異常症(脳腱黄色腫症を除く)、先天性血小板機能異常症、シュニッツラー症候群である。
- 遺伝性掌蹠角化症と家族性化膿性汗腺炎は、長期療養の要件について判断困難とされた。
- 診断基準や重症度分類では、薬剤使用の有無、治療の有無、客観性、疾患の切り分けが論点となった。
概要
第67回厚生科学審議会疾病対策部会指定難病検討委員会は、令和8年7月7日にハイブリッド(対面+WEB)で開催された。報道関係者及び一般の傍聴は行わず、会議の模様はユーチューブでライブ配信された。議題は「疾病ごとの個別検討(新規の疾病追加)」で、神経・筋疾患7疾患、代謝疾患2疾患、消化器疾患3疾患、内分泌疾患1疾患、血液疾患3疾患、皮膚疾患3疾患、骨・関節疾患1疾患が議論された。
委員会は、参考資料に記載された難病の定義と指定難病の要件を踏まえ、患者数、発病機構、治療法、予後、診断基準、重症度分類などを疾患ごとに議論した。
影響
慢性活動性EBウイルス感染症について、長期に持続する炎症により患者の生活の質が著しく低下すると説明された。
痙攣性発声障害について、コミュニケーションが困難となり、社会生活を送りにくくなるとの意見が示された。
詳細
承認4疾患の重症度分類による対象患者割合は、脳白質脳症及び全身症状を伴う網膜血管障害が100%、先天性胆汁酸代謝異常症(脳腱黄色腫症を除く)が約70%、先天性血小板機能異常症が50~60%、シュニッツラー症候群が60%と説明された。診断基準・重症度分類は、脳白質脳症及び網膜血管障害、胆汁酸代謝異常症、血小板機能異常症で各学会の承認取得済みとされ、シュニッツラー症候群も日本リウマチ学会の承認を得ていると説明された。
Vici症候群は重症度分類に薬剤使用の有無が含まれる点、スティッフパーソン症候群は免疫療法の効果や傍腫瘍症候としての発症を含む点、NMDA受容体抗体脳炎は免疫療法の効果と長期療養の要件が論点となり、3疾患とも指定難病に該当しないと判断された。
椎骨脳底動脈系に発生した大型~巨大脳動脈瘤、痙攣性発声障害、掌蹠膿疱症性骨関節炎では、疾患の一部を切り分けている点や、客観的な診断基準・疾患概念の整理が論点となった。神経核内封入体病では、重症度分類による対象患者割合が約30%から60%に増えた理由の説明不足が指摘された。
アポリポタンパクA-1欠損症、遺伝的インスリン抵抗症、アルドステロン合成酵素欠損症、特発性好酸球増加症候群は、既存治療の位置付け、発病機構の記載、薬剤を用いた重症度分類、重症者割合などが再検討事項とされた。
原発性肝内結石症とPeutz-Jeghers症候群は、長期予後や重症者割合、治療の影響などから要件を満たさないと判断され、承認は見送られた。慢性活動性EBウイルス感染症、神経核内封入体病、掌蹠膿疱症性骨関節炎などは、発病機構や重症度分類、疾患の切り分け等について研究班での追加検討が求められた。遺伝性掌蹠角化症と家族性化膿性汗腺炎は、予後情報が引き続き不十分として長期療養の要件について判断困難とされた。