令和9年度予算方針、投資枠創設と積極財政を決定
概要
令和8年7月30日、経済財政諮問会議で内閣府年央試算などを踏まえ、令和9年度予算の全体像と概算要求の基本方針が議論された。政府は通常歳出とは別に「強く豊かな日本」投資枠を設け、危機管理投資や成長投資を重点化する。要求上限は設けず、賃金・調達価格の上昇を予算へ反映し、恒常的施策を当初予算に計上する方針である。経済成長と財政の持続可能性、市場の信認に十分配慮する「責任ある積極財政」を進める。
要点
- 令和9年度予算の概算要求方針を決定した。
- 通常歳出と別に「強く豊かな日本」投資枠を創設する。
- 実質成長率は2026年度0.9%程度、2027年度1.1%程度を見込む。
- 成長効果を軸に歳出を重点化し、責任ある積極財政を進める。
概要
令和8年7月30日、高市総理は総理大臣官邸で令和8年第12回経済財政諮問会議を開催し、内閣府年央試算と中長期の経済財政に関する試算を基に、予算の全体像と令和9年度予算の概算要求方針を協議した。
年央試算では、原油価格上昇が2026年度の経済を下押しする一方、賃上げによる所得増や政策効果が支えとなり、実質成長率は2026年度に0.9%程度、2027年度に1.1%程度と見込まれた。所得増が消費・投資を生む民需主導の循環が生まれつつあるとの認識も示された。
プライマリーバランスは前年度に概ね均衡する見込みで、十分な経済成長が実現し、追加的な財政支出を毎年実質10兆円と想定した場合でも、債務残高対GDP比は安定的に低下し、2027年度以降のプライマリーバランスは黒字になると示された。
主要数値
- 2026年度の実質成長率見通し
- 実質0.9%程度
- 2027年度の実質成長率見通し
- 実質1.1%程度
- 追加的な財政支出の想定(毎年)
- 実質10兆円
- プライマリーバランス黒字化の対象年度
- 2027年度以降
影響
投資枠により、危機管理投資・成長投資を含む国内投資を、予見可能性を持って実施し、潜在成長率の引上げを狙う。予算要求では、賃金や調達価格の上昇を踏まえる方針も示された。
政府は、積極的な財政支出を成長につなげるとともに、財政の持続可能性と市場の信認に十分配慮する方針を示した。市場とのコミュニケーションは透明性高く丁寧に行うとしている。
詳細
「強く豊かな日本」投資枠は通常の歳出とは別に設け、要求上限を設定しない。事項要求を含めて所要額を適切に要求できる仕組みとし、必要な予算を十分に要求できるため、従来のシーリングに当たる運用は置かない方針である。
予算要求・要望では賃金や調達価格の上昇を踏まえ、令和8年度予算から実現した経済・物価動向等の的確な反映を継続する。また、補正予算への依存を減らし、恒常的な施策は当初予算に計上するため、必要に応じて事項のみを要求する方法も活用する。
今後の編成では、財政支出の総額ではなく経済成長への効果を重視し、補助金・基金の見直しを含めて歳出全般の施策順位を洗い直す。『骨太方針2026』に基づき、成長型経済への移行と財政の持続可能性を両立する予算を作るとしている。