リニア開業見通し、交通空白対策、自賠責加入環境をめぐる国交相会見
概要
金子恭之国土交通大臣は、JR東海がリニア中央新幹線の品川・名古屋間について年内に開業見通しを示す意向を示したと説明した。交通空白解消では、官民連携プラットフォームの会員が1907まで拡大し、改正法で創設された連携促進団体制度を活用して地域交通の課題解決を強化する方針を示した。自賠責保険では、二輪車販売店や整備工場を対象に実態調査を行い、結果を踏まえて関係機関と対策を検討する。
要点
- JR東海はリニア品川・名古屋間の開業見通しを年内に示す意向を表明した。
- 交通空白解消・官民連携プラットフォームの会員数は1907に達し、全市区町村の約6割が参加している。
- 改正地域公共交通法により、連携促進団体が法律上の枠組みに位置付けられた。
- 自賠責保険の取扱継続に関する調査結果を踏まえ、関係機関と対策を検討する。
概要
会見では、リニア中央新幹線、交通空白、自賠責保険の三つの交通政策課題が取り上げられた。リニアでは、国土交通省が早期整備に向けて関係自治体とJR東海の連携を進める状況が示された。交通空白では、自治体、交通事業者、技術やノウハウを持つ企業・団体を結ぶ官民連携の進展が説明された。自賠責保険では、保険代理店の廃業や集約化を背景に、加入手段を維持するための実態把握と対策検討が進められている。
会見全体を通じて、国土交通省は、鉄道整備、地域交通の持続性、被害者救済に関わる保険加入環境について、関係者との協力を軸に対応を継続する姿勢を示した。
主要数値
- 品川・名古屋間の開業見通し提示時期
- 2026年内
- 交通空白解消・官民連携プラットフォーム会員数(2026年6月末時点)
- 1,907
- 全市区町村に占める参加割合
- 約6割
- 交通空白解消商談会の開催予定都市数(2026年度、8月以降)
- 全国9都市
- 自賠責保険実態調査の締切
- 2026年7月31日
影響
リニアについては、開業時期の見通しが示されれば、沿線自治体や関係事業者が準備を具体化しやすくなる。一方、静岡工区を含む工事では、地域の理解と協力を得ながら進めることが、事業の円滑さに関わる。
交通空白対策では、自治体が企業や交通事業者の技術・資源に接続しやすくなり、地域ごとの移動課題に応じた持続可能なサービス形成につながることが期待される。地域交通の担い手不足や移動手段の不足を抱える地域にとって、官民協働の選択肢が広がる。
自賠責保険では、代理店の減少が二輪車利用者の加入手続に影響する可能性がある。加入しやすい環境を維持できるかは、無保険車の抑制と被害者救済の確保に直結する。
詳細
金子大臣は2026年7月24日にJR東海の丹羽社長と面会し、品川・名古屋間の開業見通しを速やかに明らかにするよう要請した。丹羽社長は、検討に時間を要するものの、年内には示したいとの意向を伝えた。国土交通省は、静岡工区を含む工事を適切かつ着実に進めるよう求め、関係自治体やJR東海と連携する。
交通空白解消・官民連携プラットフォームは2024年11月に設置された。会員数は発足当初の167から、2026年6月末時点で1907へ増え、11倍以上となった。全市区町村の約6割が参加し、これまでに3回の会合を開いた。先進事例や関係省庁の取組を共有し、技術・ノウハウの発表会、関連イベントへの協力、自治体・交通事業者と企業のマッチングを実施している。
マッチングの商談会は前年度に全国6都市で開催され、2026年度は8月以降に全国9都市で開催予定である。官民連携によるパイロット・プロジェクトも進められている。改正地域公共交通の活性化及び再生に関する法律で創設された連携促進団体制度を通じ、企業・団体の知見やリソースを地方公共団体との課題解決に活用する。
自動車は二輪車を含め、自賠責保険が締結されていなければ運行できない。国土交通省は、取扱継続への不安が示された二輪車販売店や整備工場を対象に、2026年6月30日からアンケート調査を実施し、7月31日を締切としている。結果を取りまとめた後、金融庁や損害保険関係団体と対策を検討する。2025年1月には、一部二輪車についてインターネットで申込みできるOne-JIBAIが始まった。