IPA、車載半導体の安定調達に向けたデータ連携要件を定義
概要
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は2026年6月16日、「サプライチェーン強靭化におけるデータ連携の仕組みに関するガイドライン(車載半導体関連)0.1版」を公開した。企業間で半導体の品番・仕様、販売終了情報、世代交代に関する推奨・非推奨情報、生産地などを、データ提供者が指定する範囲で共有する要件を定義。自動車OEMや部品メーカーが代替品の検討や生産計画の調整を迅速化できる仕組みを示し、今後は汎用半導体や他業界への適用拡大、詳細設計、基盤運用を段階的に進める。
要点
- IPAが車載半導体向けデータ連携ガイドライン0.1版を公開した。
- 企業間で供給見通しに関する情報を必要な範囲で共有できる。
- 代替品の検討や生産計画の調整を迅速化し、供給網の強靭化を促す。
- 今後は汎用半導体や自動車業界以外への適用拡大を段階的に進める。
概要
製造業のサプライチェーンはグローバル化・複雑化し、感染症拡大、自然災害、各国の規制、地政学リスクによって先行きを予測しにくくなっている。半導体でも供給逼迫や枯渇を背景に需給バランスの見通しが立ちにくく、調達側には供給可能量やリードタイムを把握して代替調達や意思決定につなげることが求められている。
供給側には、需要変動や制約を踏まえた生産計画・在庫配置に加え、製品ラインナップの見通しを計画的に提示することが重要になっている。IPAデジタルアーキテクチャ・デザインセンター(DADC)は、こうした課題への対応としてデータスペースを活用する取組を進め、今回の文書を公開した。
IPAは2026年6月16日に、車載半導体を対象とするガイドライン0.1版を公開した。
主要数値
- 公開日
- 2026年6月16日
- パブリックコメント実施期間
- 2026年4月2日から2026年5月7日まで
- ガイドライン版数
- 0.1版
- 実証事業の実施年度
- 令和7年度
影響
自動車OEMや部品メーカーは、直接の取引関係がない企業からも、必要な範囲で供給関連情報を参照できるようになり、技術動向やトレンドを踏まえた製品の選択・切り替えを進めやすくなる。
半導体メーカーにとっては、営業秘密を保持しながら、供給見通しに関わる情報を効率的に共有できる。企業間の情報共有が不確実な情勢下での判断を支え、調達先の多様化や供給網全体の対応力向上につながる。
適切な製品選択や切り替えを促進し、半導体の安定供給を通じて自動車産業を含む関連産業の競争力強化に寄与することが期待される。
詳細
ガイドラインは、直接の取引関係の有無にかかわらず企業間でデータを連携・利活用するための業務・機能要件を定義する。データスペース参加者は、運用事業者との契約に基づくトラストを前提に、データ提供者が定めたアクセス制御の範囲で情報を参照する。
対象の半導体データプラットフォームでは、半導体メーカーが情報を登録し、自動車OEM・部品メーカーが必要な範囲で参照する。扱う情報は、品番・仕様、EOL(販売終了)情報、世代交代を促す推奨・非推奨情報、供給能力に関連する生産地情報などである。
開示先やデータ項目は提供者が指定・制御できる。文書は、経済産業省の「無人自動運転等のCASE対応に向けた実証・支援事業」における、半導体等の自動車部品サプライチェーンのデータ連携基盤構築に向けた実証成果を取りまとめたものだ。
0.1版は車載半導体の構想設計を扱い、今後は汎用半導体、自動車業界以外、詳細設計、基盤運用へと対象・内容を段階的に広げる。公開前には、2026年4月2日から2026年5月7日までのパブリックコメント結果が反映された。