金融庁が2025年7月24日に公表した「金融・資産運用特区実現パッケージ」記載の施策の進捗状況について、2025年6月末時点での各施策の実施状況を詳細に報告したものです。
本報告書では、2024年から2025年にかけて実施された28項目の施策について、各関係省庁の取り組み状況を整理しています。特に注目すべきは、金融・資産運用特区の実現に向けた英語対応の拡充、在留資格の創設、規制緩和などの多岐にわたる改革が着実に進展していることです。
主要な進捗として、金融庁は東京都内のみに設置されていた「拠点開設サポートオフィス」を2025年4月1日から北海道札幌市と大阪府大阪市に地方支部を設置し、全国的な支援体制を整備しました。また、法務省は会社設立に必要な商業登記・定款認証の英語申請を可能とする支援を2025年2月26日から札幌市、東京都、大阪市、福岡市で開始しています。
投資環境の整備では、銀行グループの投資専門子会社によるスタートアップ出資規制が緩和され、出資可能な設立年数を10年未満から20年未満に拡大しました。さらに、投資型クラウドファンディングの発行総額上限が1億円未満から5億円未満に引き上げられ、スタートアップの資金調達環境が大幅に改善されています。
環境・エネルギー分野では、銀行によるGX関連事業への出資規制が緩和され、届出のみで50%までの議決権保有が可能となりました。また、洋上風力発電設備の設置・保守に係る外国籍船の利用や排他的経済水域での設置に関する法整備も進み、再生可能エネルギーの普及促進基盤が強化されています。
記事は、金融・資産運用特区の実現に向けた包括的な改革が着実に進展しており、国際金融都市としての日本の競争力強化に向けた基盤整備が加速していることを示しています。