令和8年版 水循環白書|第8章令和8年版 水循環白書 第8章 水循環施策の策定及び実施に必要な調査の実施

概要

水循環施策を適切に進めるための調査と体制整備について、第8章が流域の水量・水質、水資源、生物、地下水、雨水・再生水利用の調査を記載する。調査結果の公表・活用に加え、気候変動による水資源への影響評価、渇水リスクのデータベース化、観測、情報提供も扱う。下水サーベイランスや農業用水の利用実態調査、渇水リスクデータベースなど、本文が述べる活用・支援の内容も含む。

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要点

  • 水循環に関する多分野の調査と必要な体制整備を記載する。
  • 調査結果の公表やデータの一元管理、データベース化を進めた。
  • 気候変動下の水資源・渇水リスクを評価し、観測と情報提供を行った。
  • 調査や評価の一部は、感染状況の把握、水利調整、地域の適応計画策定を支援した。

概要

水循環施策を今後とも適切に進めるため、水循環に関する調査と必要な体制整備に取り組む。章は、流域の水量・水質、水資源、生物、地下水、雨水・再生水利用の調査を扱う。

章の後半では、調査結果の公表・有効活用と、気候変動による水循環への影響および適応に関する調査を扱う。

影響

下水中のウイルス濃度調査は地域の感染状況の把握に活用され、ガイドライン案の公表により下水サーベイランスの取組が促進された。農業用水の利用実態把握は水利調整等の円滑化を図った。

渇水リスクデータベースは、地域における気候変動適応計画の策定を支援した。

詳細

水量・水質調査では、下水中の感染症関連タンパク質のリアルタイム追跡による有効性調査、公共用水域等の水質調査結果の集計・解析・公表を行った。施設設置時の届出等の施行状況を都道府県等の報告から把握し、東京湾、伊勢湾、瀬戸内海、有明海、八代海等で発生負荷量等算定調査を実施した。農業用水の取水施設、取水量、利活用状況も把握した。水資源調査では、各種用水の利用量、水資源開発、地下水・雨水・再生水の利用状況、渇水の発生状況を調べ、「日本の水資源の現況」として公表した。

河川・ダム湖の生物の生息・生育・繁殖状況を定期的に調査し、全国淡水魚類分布調査と水生昆虫を含む昆虫類分布調査を実施した。モニタリングサイト1000では湖沼・湿原、沿岸域、サンゴ礁の約300か所で植物、水鳥、魚類、底生動物、サンゴ等を調査した。地下水では指定地域の水位観測、地盤沈下対策の実施状況把握、データ収集・分析、地下水データベースの運用・普及を行った。雨水・再生水利用施設の実態、用途、利用量も調査した。

森林水文試験地12か所の降水量、流出量、水質等のデータと、新潟県の豪雪地帯の積雪データを公開した。全国版d4PDF力学的ダウンスケーリングデータのバイアス補正データについて、開発手法やバイアス量の特徴をまとめた論文を公表した。水質調査データの一元管理と効率的処理のため、システムの保守点検・改修も行った。

気候変動調査では、水系・地域ごとの水資源影響を需要・供給面から評価する手法を検討し、高解像度水資源評価モデルによる全国の渇水リスク解析を整理・データベース化した。森林の積雪融雪や水流出への影響を評価する長期観測体制を整備した。「日本の気候変動2025」の観測・将来予測情報を提供し、降水変化や地域の対応事例を踏まえて気象防災を考えるシンポジウムを開催した。「気候予測データセット2022」と解説書の提供・周知も継続した。

異常気象分析検討会は平成19年から運営され、令和7年9月に同年夏の記録的高温と7月の少雨、令和8年3月に令和7年夏後半以降の少雨について特徴・要因を分析し、見解を公表した。国土技術政策総合研究所は109の一級水系で流出解析を行い、非超過確率1/10の少雨年と渇水流量の発生頻度の変化を公表した。

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