長野県の金融経済動向（2025年7月）

要約

長野県の実体経済は、住宅投資は横ばい圏内の動きとなっている。

設備投資は一部に弱めの動きがみられるものの、堅調に推移している。設備投資は、2025年度は前年度を上回る計画となっている。輸出は、2025年度は前年度を上回る計画となっている。企業収益は、2025年度は前年度を下回る計画となっている。

新設住宅着工戸数は、長野県全体でみると、2025年5月は前年同月比で減少した。全国でも同様に過去のデータを遡及改定している。国土交通省、長野県「建築着工統計」によると、持家、貸家、分譲住宅、給与住宅を含む総戸数は月次でばらつきがあるものの、横ばい圏内で推移している。

生産動向については、長野県の生産指数（季節調整済、2020年=100）をみると、直近のデータでは横ばい圏内の動きとなっている。業種別にみると、電子部品・デバイス工業、情報通信機械工業、汎用・生産用・業務用機械工業などが県内製造業の主要セクターとなっている。

今後の見通し

長野県経済は、設備投資が企業の前向きな投資姿勢を背景に堅調に推移すると見込まれる。ただし、海外経済の不確実性や原材料価格の高騰、人手不足などが下押し要因となる可能性がある。生産活動は、半導体関連や機械関連の需要動向に左右されながらも、緩やかな持ち直しの動きが続くと予想される。住宅投資は、建設コストの高止まりや金利動向を注視する必要があるが、当面は横ばい圏内で推移すると見込まれる。金融環境は引き続き緩和的な状態が維持され、企業の資金調達環境は良好な状態が続くと予想される。