富山県の主要経済指標(2025年7月)
要約
富山県の経済は、持ち直しの動きが続いている。
雇用・所得関連では、有効求人倍率は2025年6月時点で1.43倍と高水準を維持しており、雇用者所得も前年比4.6%増と堅調に推移している。雇用環境は改善が続いており、労働需給は引き締まった状態にある。
消費者物価指数(除く生鮮食品)は、2025年6月に前年比3.2%上昇し、物価上昇圧力が継続している。エネルギー価格や食料品価格の上昇が主な要因となっている。
個産関連では、倒産件数は2025年4月が10件、5月が5件、6月が6件と推移しており、前年比では増加傾向にある。負債総額は2025年3月の236.6億円から6月には51.0億円へと減少している。
金融指標では、実質預金が2025年4月に前年比1.0%増、貸出金が同0.8%増となっており、金融環境は緩和的な状態が続いている。預貸率は低下傾向にあり、資金需要は相対的に弱い状況となっている。
住宅着工戸数は月次でばらつきがあるものの、2025年1-3月期で前年比41.7%増、4-6月期でも前年比11.7%増と増加基調にある。持家・貸家ともに着工が増加しており、住宅投資は堅調に推移している。
今後の見通し
富山県経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が底堅く推移し、設備投資も企業収益の改善から増加基調を維持すると見込まれる。ただし、物価上昇の継続や海外経済の不確実性、人手不足の深刻化などが経済活動の制約要因となる可能性がある。金融環境は引き続き緩和的な状態が維持され、経済活動を下支えすると予想される。