オホーツク圏経済情勢報告 令和7年7月判断について
財務省北海道財務局が2025年8月8日に公表したオホーツク圏経済情勢報告は、令和7年7月時点における同地域の経済状況を包括的に分析したものです。
総括判断
オホーツク圏の経済は「持ち直しつつある」と評価されています。この判断は、個人消費が持ち直しに向けたテンポが緩やかになっているものの、観光が緩やかに回復し、雇用情勢も緩やかに持ち直しつつあることを総合的に勘案したものです。
個人消費の動向
個人消費は「持ち直しに向けたテンポが緩やかになっている」と評価されています。品目別にみると、飲食料品分野では輸入肉の価格上昇により売上が低調であった一方、総菜や冷凍食品が好調で前年を上回りました。生活関連品ではアジアンコスメが引き続き好調であったものの、カウンセリング化粧品の不振により全体では前年を下回っています。衣料品は学校関連商品の低調により前年割れとなりました。自動車については、受注残の解消や認証不正問題からの反動増により新車登録台数が前年を上回る結果となっています。
観光業の回復状況
観光業は「緩やかに回復している」と判断されています。空港利用客数は東京便を中心とした搭乗率の上昇により前年を上回っており、主要観光施設入込客数及び知床宿泊者数も、東アジアを中心とした海外客の入込が好調に加え、道外客を中心とする国内客も増加したことから、前年を大幅に上回る実績を示しています。
雇用情勢の改善
雇用は「緩やかに持ち直しつつある」状況にあります。有効求人倍率は有効求職者数の減少などにより前年を上回っており、労働市場の需給バランスが改善していることが確認されています。
その他の経済指標
公共事業については、前払金保証請負金額ベースで令和7年4月から6月の期間において前年を上回っています。一方、住宅着工は管内3市(北見市・網走市・紋別市)において、持家、貸家、分譲住宅のいずれも前年を下回る結果となっています。企業倒産は件数では前年並みですが、負債総額は前年を上回っています。
金融情勢
金融面では、貸出金残高が設備資金の増加により前年を上回り、預金残高も前年を上回る水準を維持しています。これは地域経済の資金需要と資金余剰の両面での改善を示しています。
記事は、オホーツク圏経済が全体として持ち直しの傾向にあるものの、分野によって回復のペースに差があることを具体的な数値とともに示しています。