日本銀行決済機構局が2025年7月31日に公表した2025年6月の決済動向統計について、日本の決済システムの利用状況を包括的に分析したものです。
BOJ-NET資金決済システムの動向
日銀当座預金決済では、2025年6月の件数が92,851件（前年同月比+2.5%）、金額が229.6兆円（同-1.5%）となりました。1日平均では件数が4,976件、金額が12.3兆円となっています。業態別では、コール取引等が87.0%、OVP（時間帯保有資産）が77.7%、大口内為替が9.9%、外為円が21.9%の構成となっています。
BOJ-NET利用先数については、2025年6月末時点で参加者数が着実に増加しており、金融機関の決済インフラとしての重要性が高まっています。国庫振込口座振替決済やDVP（時間帯保有決済進捗）も順調に推移しています。
民間決済システムの状況
手形交換高については、電子交換所での処理が主流となっており、全銀システム取扱高では大口内為替取引の決済、小口内為替取引の決済、コアタイムシステム取扱分、モアタイムシステム取扱分など多様な決済形態に対応しています。
外為円決済交換高や民間証券・デリバティブ決済システムも安定的に稼働しており、清算機関の日銀当座預金決済や証券集中保管機関の日銀当座預金DVP決済が円滑に実施されています。
電子マネー・デビットカードの利用状況
電子マネーやデビットカードの利用も拡大しており、キャッシュレス決済の普及が進んでいることが統計データから確認できます。これらの決済手段は消費者の利便性向上と決済効率化に寄与しています。
記事は、日本の決済システム全体が安定的に機能し、各種決済手段の利用が着実に拡大していることを具体的な統計数値で示し、金融インフラの堅実な発展を確認しています。