中国山東省の工業・情報化庁が2025年8月14日、「『ロボット＋』イノベーション製品と応用シーンの募集業務を実施する通知」を発表し、ロボット産業の本格的な展開を開始しました。
ロボット産業発展の重点10分野
山東省は社会生活の改善と経済発展のニーズに対応するため、以下の10分野を重点分野として設定：
- 製造業 - 溶接、組み立て、搬送ロボット
- 農業 - 農作業自動化ロボット
- 建築 - 建設作業ロボット
- エネルギー - エネルギー関連作業ロボット
- 商業物流 - 物流自動化ロボット
- 医療健康 - 医療支援ロボット
- 介護サービス - 介護支援ロボット
- 教育 - 教育支援ロボット
- 商業コミュニティーサービス - サービスロボット
- 安全防災・極限環境応用 - 特殊環境対応ロボット
4分野のロボットプラットフォーム
以下の4分野をカバーするプラットフォームを構築：
- 工業用ロボット
- サービスロボット
- 特殊ロボット
- 人型ロボット
ロボット産業と人工知能（AI）の高度な融合を推進し、従来の作業モデルからエンボディードAI（身体性AI）作業モデルへの転換を目指します。
具体的な製品と応用シーン
製造業分野
- ロボット製品：溶接、組み立て、搬送ロボット
- 応用シーン：スマート検査、電気設備製造、半導体ウエハー搬送
医療健康分野
- ロボット製品：相談サービス、手術、重症看護、検査サンプリングロボット
- 応用シーン：画像全自動診断治療、高精度ポジショニング、遠隔手術治療
介護サービス分野
- ロボット製品：入浴支援、リハビリ訓練、セキュリティー監視ロボット
- 応用シーン：認知症ケア、スマート家事
野心的な発展目標（2027年まで）
山東省は「ロボット産業の質の高い発展行動プラン（2025～2027年）」において、以下の目標を設定：
- ロボット製造産業規模：500億元以上（約1兆500億円）
- 生産額20億元以上のリーディング企業：3社以上を育成
- 最大200万元の補助金を支給
現在の産業基盤
山東省は既に中国北部地域の重要なロボット製造拠点となっています：
- ロボット関連企業数：200社余り（2024年末時点）
- 年間総営業収入：約300億元
- 過去3年間の平均成長率：15％超
選定された製品と応用シーンは「山東省ロボットイノベーション製品と応用シーン推薦リスト」に掲載され、1～2年以内に実現予定のシーンには政策支援が提供されます。