中国国務院が2025年8月26日、「人工智能+(AIプラス)」行動の実施徹底に関する意見を発表し、AI活用の積極的な推進方針を明確化しました。
3段階の目標設定
2027年まで(基礎固め段階)
- 科学技術、産業、消費、民生、ガバナンス、国際協力の6分野とAIの融合実現
- 次世代スマートデバイス・AIエージェントの普及率:70%以上
- スマートエコノミーのコア産業規模拡大
- パブリックガバナンスでのAI役割強化
2030年まで(高度化段階)
- AIによる中国発展の全面的支援
- 次世代スマートデバイス・AIエージェントの普及率:90%以上
- スマートエコノミーを経済成長の重要な柱に
2035年まで(全面移行段階)
- スマート経済・スマート社会発展の新段階への全面移行
- 社会主義現代化実現への強力な支え
6つの重点行動
- 「AIプラス」科学技術 - 科学研究へのAI活用
- 「AIプラス」産業発展 - AIネーティブな新モデル・新業態の育成、産業スマート化推進
- 「AIプラス」消費の質向上 - 新たなサービス消費シーンの開拓、消費新業態の育成
- 「AIプラス」民生福祉 - 生活の質向上へのAI活用
- 「AIプラス」ガバナンス能力 - 行政効率化・サービス向上
- 「AIプラス」国際協力 - AIの包摂・共有推進、グローバルガバナンスシステム構築
8つの支援分野
目標達成のための取り組み強化分野:
- モデル開発
- データ整備
- コンピューティング能力
- アプリケーション開発
- オープンソース推進
- 人材育成
- 政策法令整備
- セキュリティ確保
政策背景と意義
国家発展改革委員会は、AIが重要な応用局面に突入する一方で、AIの役割に対する認識の違いや需給ギャップなどの問題があることから、政策支援の強化が必要と説明。「AIプラス」行動は2024年3月の政府活動報告で初めて打ち出され、2025年も持続的に推進することが表明されています。
この意見は、中国がAI大国からAI強国への転換を図る重要な政策文書として位置づけられています。