労働政策研究・研修機構(JILPT)が2025年7月の雇用保険制度運用状況について報告したものです。
2025年7月における雇用保険の受給者数、給付水準、財政状況などの運用実績が詳細に公表されています。基本手当受給者数は前年同月比で減少傾向を維持しており、雇用情勢の改善を反映した結果となっています。一方で、求職者支援制度の利用者数や職業訓練給付の受給者数については、労働市場の構造変化に対応した能力開発ニーズの高まりを受けて増加傾向が見られます。
給付内容別では、一般被保険者に対する基本手当給付が全体の大部分を占める一方で、高年齢雇用継続給付、育児休業給付、介護休業給付などの雇用継続給付の利用も着実に増加しています。特に育児休業給付については、男性の取得率向上により給付件数が大幅に増加しており、働き方改革の進展を反映した結果となっています。
財政面では、保険料収入と給付支出のバランスが良好に維持されており、積立金の水準も適正な範囲内で推移しています。また、雇用調整助成金などの雇用維持支援制度についても、経済情勢に応じた適切な運用が継続されています。
記事は、雇用保険制度が雇用のセーフティネットとして安定的に機能しており、労働市場の変化と働き方の多様化に対応した制度運用が適切に行われていることを示しています。