ドイツ連邦議会の新選挙制度~超過・調整議席の廃止と2025年総選挙:レファレンス

国立国会図書館の最新レポートによると、ドイツ連邦議会の選挙制度が2023年6月に大幅に改正され、議席配分の仕組みが根本的に変更された。この改正は、2021年総選挙で定数598人に対し実際の議員数が736人に達した状況を受けたものである。

従来の選挙制度では、小選挙区比例代表併用制により、小選挙区で定数の半数の議席を定め、各党の全体議席は第2票(比例代表票)の得票率に比例して配分されていた。この制度では、比例配分を超える小選挙区当選人がある政党に「超過議席」が生じ、さらに2013年に導入された「調整議席」により議員数の増大が加速していた。新制度では、議員定数を630人に増やした上で、超過議席と調整議席を廃止し、各党の第2票得票率に応じて配分した議席を上限とする「第2票相当議席割当て」を導入した。

この新制度の最大の特徴は、小選挙区の最多得票者であっても、所属政党の第2票得票が不十分な場合は当選人とならない可能性があることである。具体的には、各州の各政党について、第2票得票率に応じた議席を超える小選挙区最多得票者がいる場合、得票率の低い者から順に当選人としない仕組みとなっている。また、議会内の小党乱立を防ぐ5%阻止条項は維持されたが、小選挙区当選人3人以上の政党を例外的に議席配分対象とする「基本議席条項」は削除された。

連邦憲法裁判所は2024年7月30日判決で、新制度の議席配分方法自体は合憲としたが、基本議席条項のような緩和措置のない5%阻止条項は、現状の法的・実際的条件下では必要な範囲を超えるとして違憲と判示した。裁判所は、阻止条項が修正されるまでの経過措置として、基本議席条項の仕組みを引き続き維持することを命じた。

2025年2月23日に新制度下で実施された総選挙では、投票率が1990年の東西ドイツ統一以来最高の82.5%を記録した。選挙結果は、キリスト教民主同盟(CDU)が第1党に返り咲き、極右政党「ドイツのための選択肢(AfD)」が20.8%の得票率で第2党となった。与党の社会民主党(SPD)は16.4%と歴史的惨敗を喫した。新制度により、小選挙区の最多得票者23人(CDU15人、AfD4人等)が当選人とならない結果となり、特にバーデン・ヴュルテンベルク州では6つの小選挙区で最多得票者が議席を得られなかった。

国立国会図書館は、新選挙制度は議員数の抑制という目的を達成したが、小選挙区で最多得票した候補者が当選できない事態は選挙人に不公平感を醸成する可能性があり、今後も制度改正の議論が続くことが予想されると分析している。

※ この要約はAIによって自動生成されました。正確性については元記事をご参照ください。