独立行政法人農畜産業振興機構がOECD/FAOによる2034年までの世界の食肉需給見通しの公表について報告したものです。
OECD-FAO農業アウトルック2025-2034によると、世界の食肉生産量は2034年までに2024年比で11.4%増加し、3億7,580万トンに達すると予測されています。特に鶏肉の生産増加が顕著で、世界全体の食肉生産増加分の約58%を占める見込みです。地域別では、アジア太平洋地域が生産増加の43%を担い、中でも中国とインドの寄与が大きいとされています。
消費面では、世界の一人当たり食肉消費量は年平均0.9%の増加率で推移し、2034年には34.9kgに達すると予想されています。価格動向については、飼料穀物価格の安定化により食肉価格は2025年以降緩やかに下落すると予測されていますが、気候変動や動物疾病のリスクが価格変動要因として注視されています。
貿易面では、世界の食肉貿易量が2034年までに17.2%増加し、特にアフリカ地域の輸入需要増加が予想されています。主要輸出国はブラジル、米国、EU、オーストラリアが引き続き上位を占める見込みですが、インドやタイなどの新興国も輸出拡大が期待されています。
記事は、世界的な人口増加と経済成長に伴い食肉需要が持続的に拡大する一方、生産効率の向上と持続可能性の両立が重要な課題となっていることを示しています。