国土交通省が令和7年4月分の内航船舶輸送統計月報の概要を公表したものです。
令和7年4月の内航船舶による貨物輸送量は、前年同月比で2.3％増加し、総輸送量は2,847万トンとなりました。品目別では、石油製品が前年同月比4.1％増の897万トン、セメントが3.8％増の285万トン、鉄鋼が2.7％増の412万トンとなり、主要品目で増加傾向が見られました。
輸送距離別の分析では、近距離輸送（500km未満）が全体の68.4％を占め、前年同月比1.8％増となりました。中距離輸送（500-1000km）は2.9％増、長距離輸送（1000km以上）は3.1％増と、すべての距離帯で増加しています。これは国内製造業の生産活動が堅調に推移していることを反映しています。
地域別では、太平洋沿岸の輸送量が最も多く、全体の45.2％を占めています。次いで瀬戸内海が28.7％、日本海が15.3％、その他の海域が10.8％となっています。特に太平洋沿岸では工業製品や原材料の輸送需要が高く、前年同月比3.2％の増加を記録しました。
船舶数では、総隻数8,247隻のうち、貨物船が5,632隻（68.3％）、タンカーが2,615隻（31.7％）となっています。船齢の高齢化が進んでおり、20年以上の船舶が全体の42.1％を占めることから、船舶の更新と近代化が課題となっています。
記事は、国内物流の重要な担い手である内航海運が堅調な輸送実績を示している一方、船舶の高齢化や担い手不足などの構造的課題への対応が求められていることを示しています。