農畜産業振興機構が令和6年の野菜輸入状況について、視覚的にわかりやすくまとめた資料を公表している。
令和6年の野菜輸入量は、国内需要の変化や為替レートの影響により、品目によって増減が分かれる結果となった。全体としては前年並みの水準を維持しているが、品目別には大きな変動がみられる。
主要な輸入野菜では、冷凍野菜の輸入が増加傾向にある一方、生鮮野菜の輸入は一部品目で減少している。特に、中国からの冷凍野菜輸入が増加し、業務用需要や加工用需要に対応している。
国別輸入状況では、中国が最大の輸入相手国として圧倒的なシェアを占めているが、ASEAN諸国からの輸入も着実に増加している。特に、タイ、ベトナム、フィリピンからの輸入が拡大している。
品目別では、タマネギ、ニンジン、ブロッコリーなどの主要品目の輸入が堅調に推移している。一方、国内生産の回復により、一部品目では輸入依存度が低下している。
価格面では、円安の影響により輸入価格が上昇したものの、国内価格も同様に上昇したため、国産品との価格差は従来と大きく変わらない水準で推移している。
今後の見通しとして、国内農業の担い手減少や気候変動の影響により、一定程度の輸入依存は避けられない状況が続くと予想される。安全・安心な輸入野菜の確保と、国産野菜との適切な役割分担が重要な課題となる。