日本銀行が2025年7月25日に公表した2024年度の銀行・信用金庫決算に関する金融システムレポート別冊について報告している。
2024年度の決算では、金利環境の変化により金融機関の収益構造に大きな変化がみられた。日本銀行の金融政策正常化の影響で、長期間続いた超低金利環境から徐々に脱却しつつあり、銀行の純利益に改善傾向がみられる。特に貸出金利の上昇により、資金利益の改善が期待される状況となった。
地域銀行については、人口減少や地域経済の縮小といった構造的課題に直面しながらも、デジタル化の推進や業務効率化により経営基盤の強化を図っている。信用金庫についても同様の課題を抱えているが、地域密着型の営業により一定の安定性を保っている。
不良債権比率は全体的に低位で安定しており、金融システムの健全性は維持されている。しかし、今後の経済環境の変化や金利上昇局面において、中小企業向け貸出の質的変化や不動産関連融資のリスク管理が重要な課題となる。金融機関には持続可能な収益基盤の構築と適切なリスク管理が求められている。