FSBレポ統計の日本分集計結果（2025年6月）

日本銀行の最新発表によると、2025年6月のFSBレポ統計の日本分集計結果が2025年7月22日に公表された。FSBレポ統計は、金融安定理事会（FSB）が2015年11月に提言した国際基準に基づき、日本に所在する金融機関のレポ取引動向を取りまとめた月次統計である。対象は外国金融機関の在日拠点を含む日本の主要金融機関約50社で、レポ取引金額の上位先が選定されている。レポ取引には、債券を担保とした資金調達手段である現先取引（買戻条件付売却取引）と、現金または代用有価証券を担保とした証券貸借取引が含まれる。現先取引では、MRA、GMRA等の標準契約書に基づく取引が対象となり、証券貸借取引では、MSLA、GMSLA等に基づく取引が集計される。統計では、日本円建て取引と外貨建て取引を区分し、取引対象証券も日本国債、地方債、政府保証債、外国債券、日本株式などに詳細に分類される。マチュリティ別では、オーバーナイト、2日以上1週間以内、1週間超1か月以内、1か月超3か月以内、3か月超、オープンエンドの6区分で集計され、短期金融市場の期間構造が詳細に把握できる。取引相手は、本邦居住者、米国、欧州、その他の法域別に分類され、さらに銀行、証券会社・短資会社などのディーラー・ブローカー、保険会社・証券金融会社・投資信託などのその他業態に区分される。また、銘柄を特定しないGCレポ取引（主に資金調達目的）と特定銘柄を対象とするSCレポ取引（主に債券調達目的）、清算機関の債務引受を利用するCCP清算取引と相対取引である非CCP清算取引の区分も行われる。本統計は2018年12月分から公表が開始され、金融市場局が作成し、原則として翌月第15営業日にPDFおよびExcel形式で公表される。フローデータでは日次の新規約定取引が、ストックデータでは月末時点の残高が報告される。6月統計では、日本国債を担保とする円建て現先取引が引き続き市場の中核を占め、金融機関の安定的な資金調達・運用が確認された。レポレートは取引金額で加重平均され、市場の資金需給状況を反映している。日本銀行は、本統計を通じてレポ市場の透明性向上を図り、金融システムの安定性向上、金融機関のリスク管理の高度化、および国際的な金融規制のモニタリングに貢献していく方針を堅持している。