論文Today：HRMはキャリア自律と職務行動の関係に影響を与えるのか？

斉藤航平学習院大学大学院博士後期課程による「論文Today」で、人的資源管理（HRM）がキャリア自律と職務行動の関係に与える影響を実証分析した最新研究を紹介しています。現代の働き方改革や雇用の流動化により、従業員の「キャリア自律」（自らのキャリアを主体的に管理する能力）が重視されていますが、その効果は企業のHRM施策によって左右されることが明らかになっています。研究では、キャリア開発支援、能力開発機会、評価制度の公正性、上司のサポートなどのHRM要素が、従業員のキャリア自律意識を通じて職務パフォーマンス、組織コミットメント、イノベーション行動にどのような影響を与えるかを定量的に分析しています。分析結果では、HRM施策の充実度によってキャリア自律の効果が大きく異なることが示され、単にキャリア自律を推奨するだけでなく、それを支える組織的基盤の整備が重要であることが確認されています。現代の人材マネジメントにおける重要な示唆を提供しています。