農林水産省は2025年8月21日、令和7年8月号の「米に関するマンスリーレポート」を公表した。同レポートで明らかになった7月の米価格は過去最高水準に達し、令和6年産米の取引状況に大きな変化が見られている。
令和6年産米の価格動向：過去最高水準を記録 令和6年産米の令和7年7月相対取引価格は全銘柄平均で26,918円/60kgとなった。これは前年同月比＋11,292円（＋72%）の大幅上昇、前月比では▲695円（▲3%）となっている。令和7年7月までの年産平均価格は24,790円/60kgに達し、出荷業者と卸売業者間の取引価格として比較可能な平成2年以降で過去最高価格を記録した。
取引状況の特徴：例年より早いペースで契約進展 7月の取扱数量は4.0万トンとなった。令和6年産米は例年より早いペースで取引（契約）が進み、7月で取引は終盤段階に入っている。このため7月の取引価格が令和6年産米の取引全体に与える影響は限定的とされる。参考として令和5年産の備蓄米を含めた価格は26,185円/60kgである。
市場構造の変化と需給動向 今回の価格上昇は72%という極めて大きな前年比上昇率を示しており、米市場の需給構造に significant な変化が生じていることを示している。早期契約進展は生産者・流通業者双方の価格上昇期待を反映したものと考えられ、従来の取引パターンからの変化が顕著である。
政策的含意と市場への影響 過去最高水準の価格形成は、米政策における需給調整機能、備蓄運営、輸入政策等に重要な示唆を提供している。特に消費者価格への波及、生産意欲への影響、令和7年産米の作付・価格形成への影響等、多面的な政策課題が浮上している。
本レポートは単なる統計集約にとどまらず、日本の米市場が歴史的転換点にあることを明確に示す重要な政策資料として位置づけられる。