防衛省が令和7年8月21日に実施された本田防衛副大臣とフロム・ノルウェー王国国防副大臣の会談について発表したものです。
会談の基本情報と歓迎表明
会談は令和7年8月21日10時50分から約45分間実施され、フロム・ノルウェー王国国防副大臣の初訪日という歴史的な機会となりました。本田副大臣はフロム副大臣の初訪日を歓迎し、フロム副大臣からは今般の訪問実現に対する感謝の意が示されるなど、両国の防衛協力強化に向けた積極的な姿勢が表明されました。
ノルウェーの艦艇派遣と歴史的意義
会談で特に注目されたのは、英空母打撃群（CSG）の一員として、ノルウェーが初めてフリゲート艦「ロアール・アムンセン」をインド太平洋地域に派遣し、日本に寄港したことです。これはノルウェーが従来の北大西洋・北極海中心の活動から、グローバルな安全保障環境への関与を拡大していることを示す重要な動きであり、日本としてもこの歴史的な展開を高く評価しています。
防衛協力の活発化と継続性
本田副大臣は、昨年約40年ぶりに日ノルウェー防衛相会談が実施されて以降、活発なハイレベル交流が行われていることを喜ばしく思う旨を伝達しました。この40年ぶりという期間は、両国の防衛協力がいかに限定的であったかを物語る一方で、近年の急速な関係発展の意義を際立たせています。現在の活発な交流は、変化する安全保障環境に対応した両国の戦略的判断を反映したものです。
包括的防衛協力分野の拡大
会談では、二国間の防衛協力・交流について幅広い議論が行われ、両副大臣はハイレベル交流、部隊間交流、防衛装備・技術協力、宇宙協力、NATOを通じた協力等、様々な分野において更なる防衛協力・交流を推進していくことで一致しました。特に宇宙協力とNATOを通じた協力の言及は、現代の多次元的な安全保障課題に対する包括的なアプローチを示しています。
日欧防衛協力の戦略的意義
この会談は、日本がインド太平洋地域の安全保障において、従来の日米同盟に加えて欧州諸国との協力を深化させる「インド太平洋の平和と安定に向けた国際連携」の具体的な進展を示しています。ノルウェーのような北欧諸国との防衛協力強化は、中国の軍事的台頭や北朝鮮の核・ミサイル開発などの課題に対し、価値観を共有する民主主義国家間の結束を強化する戦略的意味を持ちます。
記事は、約40年間の空白を経て急速に発展する日ノルウェー防衛協力が、単なる二国間関係を超えて、グローバルな安全保障課題に対する価値観外交と実践的協力の重要な事例として位置づけられることを示しています。