モザンビーク中央銀行が2025年9月5日に公開した2025年第1四半期（1-3月）の国際収支報告書について、経常収支改善の要因と外国直接投資の動向を分析したものです。
【経常収支の大幅改善】
経常収支赤字は前年同期の6億8,830万ドルから15.7％改善し、5億8,010万ドルとなりました。この改善は財の貿易収支と第1次所得収支の赤字額減少によるもので、同国の対外収支構造に好転の兆しが見られます。特に貿易赤字が前年同期の2億5,420万ドルから91.8％縮小して2,070万ドルまで大幅に縮小したことが主要因となっています。
【輸出入動向の詳細分析】
財輸出は前年同期の17億6,590万ドルから4.8％増の18億5,150万ドルに増加しました。輸出増加の主力は天然ガスとアルミニウムで、天然ガスは前年同期比28.1％増の5億6,770万ドル、アルミニウムは88.3％増の3億8,070万ドルと好調でした。これらの伸びは輸出量の増加に加え、天然ガスの平均国際価格が12.8％、アルミニウムが14.0％上昇したことによります。一方、財輸入は同20億2,010万ドルから7.3％減の18億7,230万ドルに減少し、機械（輸入額3億400万ドル、前年同期比▲17.7％）、燃料（1億9,950万ドル、同▲33.7％）などの主要品目で輸入が減少しました。
【外国直接投資の急拡大】
外国直接投資は前年同期の7億7,920万ドルから倍以上の16億2,570万ドルへと大幅に増加しました。天然ガス分野への投資が前年同期比3.2倍の12億3,380万ドルとなったことが全体の成長を牽引しています。投資手段別では、貸し付けなどを含む「その他の資本」が全体の92.6％に当たる15億620万ドルを占め、同国への資金流入が活発化していることが確認されています。
記事は、モザンビークの2025年第1四半期において天然ガス・アルミニウム輸出の好調と外国直接投資の急拡大により、経常収支が大幅改善し、同国経済の構造的変化と国際競争力向上の兆しが現れていると評価しています。