経済産業省が2025年9月15日（月曜日・祝日）に大阪府で開催した「持続可能燃料閣僚会議」及び「水素閣僚会議（第7回）」について、東京GXウィークの一環として大阪・関西万博と連携して実施されたエネルギー・環境分野の国際会議の詳細を報告したものです。
【持続可能燃料閣僚会議の開催】
10時30分から12時00分にかけて、日本とブラジルが共同議長として初回開催されました。関係国・機関が集まり、航空、海運、道路交通、産業など様々な分野において、バイオ燃料、バイオガス、合成燃料や合成メタンなどといった持続可能燃料の生産及び利用拡大の重要性について議論されました。国際協力や官民連携の必要性についても議論され、共同議長は閣僚会議における議論を踏まえて共同議長サマリーを発出しました。会議では企業によるフレックス燃料ハイブリッド車や水素バイク、その他持続可能燃料や水素に関するパネル展示も行われました。
【日独企業間の水素サプライチェーン構築覚書】
ランチブレーク時には「おいしい」水素社会を身近に感じられるよう、水素コンロで調理した料理や水素焙煎コーヒーが提供されました。重要な成果として、村瀬資源エネルギー庁長官立ち会いのもと、川崎重工業、トヨタ自動車、関西電力、Daimler Truck AG、Hamburger Hafen und Logistik Aktiengesellschaft（HHLA）の5社間で「日独連携による水素サプライチェーン構築に向けた覚書」が締結されました。この覚書は日独連携して競争力ある大規模水素サプライチェーンの構築を目指し、両国の需要をあわせた共通の水素製造および出荷拠点の開発等、高い経済性を持つ水素サプライチェーンの構築を目標としています。
【第7回水素閣僚会議の成果】
13時30分から15時00分にかけて、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）と共催により開催されました。国際エネルギー機関（IEA）による「Global Hydrogen Review 2025」の発表会が行われたほか、関係国・機関が世界的な水素の需要喚起に向けて「需要創出」をキーワードに、各国の水素政策進捗共有や政策連携・国際協力の可能性を議論しました。会議では水素利活用の実績確認、需要創出に向けた各国の取り組むべきアクション、市場・投資動向の実態、燃料アンモニア国際会議との統合などの内容を盛り込んだ議長サマリーが発出されました。
【大阪・関西万博と連携したエクスカーション】
15時00分から18時30分にかけて実施されたエクスカーションでは、日本初となる合成燃料で走行するバスへの乗車、水素燃料電池船「まほろば」への乗船が提供されました。万博会場では液化水素運搬船「すいそ ふろんてぃあ」の視察、未来の都市パビリオンでの水素関連技術展示、ガスパビリオンでの合成メタン関連展示の視察など、持続可能燃料や水素・アンモニアの社会実装に向けた日本の取り組みを参加者に体感してもらいました。
記事は、両会議が東京GXウィークと大阪・関西万博との連携により、持続可能燃料と水素分野における国際協力推進と日本の技術的優位性を世界に発信する重要な機会となり、エネルギー転換に向けた国際的な連携強化と具体的なビジネス協力の促進に大きく貢献したと評価しています。