農畜産業振興機構が令和6年度下半期の食肉販売実績と令和7年度上半期の見通しについて報告している。
令和6年度下半期の食肉販売は、牛肉、豚肉、鶏肉いずれも前年同期を上回る結果となった。特に、外食産業の回復と家庭内調理の定着により、多様な形態での食肉需要が拡大している。
牛肉については、国産牛肉の販売が好調で、特和牛の高級部位への需要が強い。輸入牛肉も価格競争力により堅調に推移している。ただし、飼料価格の上昇により、生産コストの増加が課題となっている。
豚肉では、加工品向け需要の増加と、健康志向を反映した部位別需要の多様化がみられる。国産豚肉のブランド化も進んでおり、差別化による付加価値向上が図られている。
鶏肉は、タンパク質源として需要が安定しており、特に若鶏もも肉、むね肉の消費が拡大している。また、調理済み商品や加工品の需要も増加傾向にある。
価格動向では、飼料価格の高止まりと人件費の上昇により、小売価格は上昇傾向が続いている。しかし、消費者の購買意欲は依然として強く、高品質な食肉への需要は堅調である。
令和7年度上半期の見通しでは、インバウンド需要の回復と夏季需要の拡大により、総じて好調な販売が期待される。ただし、国際的な飼料価格の動向や為替レートの変動には注意が必要とされている。
今後は、持続可能な畜産業の構築と、消費者ニーズに対応した商品開発が重要な課題となる。