セキュリティ要件適合評価及びラベリング制度(JC-STAR)とEUサイバーレジリエンス法(CRA)の制度比較に向けた日EU協力が本格化します
概要
JBCEとStandICT.eu事務局が協力覚書に署名し、経済産業省とIPAは、欧州の専門家らとJC-STARとEUサイバーレジリエンス法(CRA)の制度・セキュリティ要件の比較分析を本格化する。両制度の共通点や相違点を明らかにし、企業の制度対応の円滑化とIoT製品のサイバーセキュリティ水準向上を目指す。
要点
- JBCEとStandICT.eu事務局が、日EUのサイバーセキュリティ制度・標準化連携に関する協力覚書に署名した。
- 経済産業省とIPAは、JC-STARとCRAの制度や具体的なセキュリティ要件の比較・分析を本格化する。
- 制度の共通点・相違点の明確化を通じ、我が国企業の国際的な制度対応の円滑化と、IoT製品のグローバルなサイバーセキュリティ対策水準の向上を目指す。
概要
ルーター、ネットワークカメラ、センサーなどのIoT製品が普及する一方、脆弱性を悪用したサイバー攻撃も増加し、対策の重要性が高まっている。日本では経済産業省の「IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築方針」に基づき、IPAがJC-STARを運用している。
日EUはIoT製品のサイバーセキュリティ制度の調和や相互承認、国際会議への参画を進めてきた。今回の覚書は、JBCEとEU資金拠出を受けるStandICT.eu事務局が、CRA・JC-STAR技術ワーキンググループ(TWG)での協力を強化するもの。経済産業省とIPAも参加し、両法域の規制上の自律性を尊重して比較を行う。
影響
両制度の共通点や相違点を明確化し、我が国企業が国内外のサイバーセキュリティ制度に効率的に対応できる環境整備が期待される。経済産業省とIPAは、国際的な制度対応の円滑化とIoT製品のグローバルなサイバーセキュリティ対策水準の向上に貢献するとしている。
詳細
覚書の名称は「日EU間のサイバーセキュリティ分野における制度及び標準化連携」。JBCEとStandICT.euは、JC-STARとCRAの要件の比較、類似点・相違点の特定を支援し、会議開催や専門家間の対話、継続的な交流を促進する。経済産業省とIPAはJBCEと連携し、StandICT.eu事務局や欧州のサイバーセキュリティ専門家と共同で分析を進める。
日本では「IoT製品に対するセキュリティ適合性評価制度構築方針」が2024年8月に公表され、JC-STARは2025年3月に運用を開始した。CRAは2024年12月に発効。JC-STARは英国PSTI法、シンガポールCLSとの相互承認も開始している。EUとの対話にはINSTARの後継プロジェクトであるStandICT.euを通じて参加し、関心国が参加するGCLIにも参画している。
比較・分析のワークショップは、INSTAR枠組みで2025年11月10日(オンライン)、2026年1月27日(ブリュッセル、ハイブリッド)、6月9日(オンライン)に開催され、StandICT.eu枠組みでは2026年9月14日(オンライン)に開催された。両枠組みでは日本と欧州の専門家が継続して意見交換している。今後は設計段階からの対策を考慮したIoT製品の普及に向けた政策的取組や、各国・関係機関との連携、情報共有を進める。