【記者会見】小枝審議委員(熊本、10月15日分)
概要
日本銀行の小枝審議委員は熊本市で会見し、熊本県経済や地震後の金融支援、金融政策について説明した。中立金利は幅を持つレンジで捉え、経済・物価・金融環境を点検して政策金利を調節する考えを示した。基調的インフレ率は2%程度で定着しつつあるとみる一方、物価目標達成の判断には安定性や持続性の確認が必要とした。
要点
- 中立金利は幅を持つレンジで捉え、特定の水準を示すのは難しいとした。
- 政策金利の調節ペースは定めず、経済・物価・金融環境を点検して判断する考えを示した。
- 物価目標2%は定着しつつあるが、達成判断には安定性や持続性の確認が必要とした。
- 地震で足踏みする熊本県経済は、先行き緩やかな回復基調に復すると判断した。
概要
懇談会では熊本県の行政、経済界、金融界の代表から地域経済の現状や課題、日本銀行の金融政策運営について意見を聴いた。話題には令和8年熊本地震の供給・需要両面への影響、半導体関連投資、中小企業の人手不足やコスト上昇が含まれた。
中立金利の推計レンジを念頭に置きつつ、経済・物価・金融環境を点検して政策金利を調節する考えを説明した。中立金利は幅を持って捉えるのが基本で、ピンポイントの数値提示は難しいとした。
影響
熊本県経済は地震の影響で足踏み状態にあると評価した。先行きは経済活動への下押しが和らぎ、復旧・復興需要や観光などの需要喚起策が見込まれることから、緩やかな回復基調に復すると判断した。
詳細
9月の熊本県短観では資金繰り判断DIで「楽」、金融機関の貸出態度判断DIで「緩い」とする企業が多く、県内貸出は高い伸びを示した。金融環境は依然緩和的と説明。被災企業には国・県の制度融資や補助金の受付が始まり、民間金融機関も独自枠組みや個別対応を行っているとした。
利上げの特定ペースは想定せず、その都度、経済・物価・金融環境を点検して判断すると述べた。基調的インフレ率は2%程度で、幅広い価格上昇や賃金上昇から定着しつつあると評価する一方、目標達成には安定性と持続性の議論が必要とした。
半導体関連企業の進出を契機に熊本県で設備投資が増え、新工場建設も続いている。産官学金が連携し、交通インフラ整備や半導体人材の育成に取り組んでいると説明した。関連企業の新規進出や設備増強のほか、物流拠点や交通インフラの整備につながっているとの話も紹介した。