「市場調節に関する意見交換会」(2026年10月)の概要
概要
日本銀行金融市場局は2026年10月14日に「市場調節に関する意見交換会」を開催し、金融市場と市場調節の運営、国債市場の流動性・機能度、東京短期金融市場サーベイ(26/8月)の結果を説明した。資料は、長期国債買入れ計画や国債補完供給の見直し、現物・先物国債市場の取引指標、短期金融市場の取引残高や機能度判断、流動性管理目的の取引に関する調査結果を図表で示す。
要点
- 日本銀行金融市場局が「市場調節に関する意見交換会」を開催した。
- 会合では金融市場・市場調節、国債市場の流動性・機能度、短期金融市場の動向が説明された。
- 長期国債買入れは2027年3月まで原則毎四半期約2,000億円ずつ減額し、2027年4月以降は月間約2兆円とする計画が示された。
- 国債補完供給の最低品貸料を0.25%から0.50%に引き上げ、利付国債の連続利用上限を最長50営業日から最長30営業日に短縮する。
概要
会合は日本銀行本店で17時30分から開催された。本店を売買店・貸付店とするオペレーション対象先の市場部門担当役員・実務責任者が参加し、日本銀行から金融市場局長、総務課長、市場調節課長、市場企画課長が出席した。
資料1の見出しは「最近の金融市場の動向および市場調節の運営」、資料2は「国債市場の流動性・機能度」、資料3は「わが国短期金融市場の動向―東京短期金融市場サーベイ(26/8月)の結果―」。会合では金融市場局長挨拶、日本銀行からの説明、質疑応答が行われた。
影響
東日本大震災は、被災地金融機関支援オペの利用実績などを踏まえ、2027年5月の貸付をもって同オペの対象災害から解除することとされた。
詳細
2026年6月の金融政策決定会合で示された長期国債買入れ計画は、長期金利は金融市場で形成されることを基本とし、市場の安定に配慮する柔軟性を確保しつつ予見可能な形で買入れを行う方針。2027年3月までは従来計画を維持し、原則毎四半期約2,000億円ずつ減額、2027年4月以降は月間約2兆円を買い入れる。長期金利が急上昇する場合は買入れ額の増額などを機動的に実施し、必要に応じて金融政策決定会合でペースを見直す。
利付国債の月間オファー額合計は2026年1~3月の2兆9,000億円から、4~6月2兆7,050億円、7~9月2兆5,000億円、10~12月2兆3,000億円へ移る。2026年10~12月の残存期間別内訳は、1年超3年以下6,600億円、3年超5年以下5,800億円、5年超10年以下6,100億円、10年超25年以下1,700億円、25年超1,500億円。物価連動債は300億円。
国債補完供給の変更は2026年6月16日公表。利付国債の連続売却は同一銘柄・同一売却対象先について原則最長30営業日、国庫短期証券は従来どおり原則最長5営業日とし、日本銀行が必要と認めれば延長できる。1日2回のオファー、保有する利付国債・国庫短期証券を原則対象とする扱い、銘柄別売却上限を保有残高の100%とする扱い、応募銘柄数上限30銘柄は継続する。
2026年9月18日の金融政策決定会合声明では、気候変動対応オペの貸付金利を変動金利に変更し、貸付総額などに上限を設定するとした。被災地金融機関支援オペと共通担保資金供給オペも貸付金利を見直す。気候変動対応オペについては、金融調節の円滑な運営と民間の気候変動対応の安定的支援を考慮すると説明された。
東京短期金融市場サーベイは、短期金融市場の取引動向などを把握するため2008年に開始。今回の調査基準時点は2026年7月末で、対象は日銀オペ対象先、主要生命保険会社・損害保険会社、大手投資信託委託会社など。調査対象先は2025年8月の383先から2026年8月の381先、うちオペ対象先は355先から354先となった。資料は資金調達・運用別の残高、レポ・コール取引、機能度判断を示し、流動性管理目的の取引について現在と2年以内の見通しも尋ねた。
調査対象の制約などにより、資金調達側と運用側の残高は一致しない。非居住者などは対象外で、対日銀取引は調達側、国庫短期証券は運用側だけに計上する。流動性管理の設問では定常的・定期的な調達と必要に応じた調達を区別し、先行きは2年以内を対象とする。