金融審議会「成長企業への資金供給の在り方等に関するワーキング・グループ」(第1回)議事録について公表しました。
概要
成長企業への資金供給主体の多様化に向け、外国金融機関等のシンジケートローン参加と貸金業規制の柔構造化を議論した。参入要件の緩和には賛成意見が多く、借り手の範囲、監督の実効性、債権譲渡後の審査・調整などを慎重に検討すべきとの指摘も相次いだ。消費者向け規制やデジタル化についても意見が出た。
要点
- 外国金融機関等のシンジケートローン参加拡大と、事業者向け貸金業規制の柔構造化には賛成意見が多かった。
- 借り手の範囲や参加者要件、国内外の監督、債権譲渡後の対応を明確にすべきとの意見が出た。
- 消費者向け規制の見直しや書面のデジタル化は、保護や取りこぼしへの配慮を求める意見があった。
概要
金融審議会総会・金融分科会合同会合の諮問を受け、成長投資や事業再構築・再編を支える資金の好循環と、資金供給主体の多様化を検討するワーキング・グループが設置された。第1回会合では、事務局が現状と課題を説明し、全国銀行協会と国際銀行協会が外国金融機関等の参加拡大について意見を述べた。
主な検討例は、大企業等への貸付け、国内に銀行免許を持たない外国銀行等のシンジケートローン参加、ノンバンクの社債による資金調達要件。書面交付や物理的掲示を前提とする規制の見直しも論点として示された。
影響
参加拡大を支持する意見では、資金調達手段の多様化やコスト抑制、大型案件の組成円滑化を通じ、企業の成長投資を後押しする効果が期待された。一方、市場競争の過熱や審査・モニタリングの不足が、価格形成や金融システムに影響する懸念も示された。
詳細
事務局案は、貸出先が大企業等で、国内法令上の権限を持つ者がアレンジャー・エージェントを務め、外国の融資者は実行のみを担うことが契約上明確なシンジケートローンを想定する。貸金業法を改正して特別な枠組みを設け、人的・財産的要件や登録更新、債権譲受人への規制を実態に応じて柔構造化する案を提示した。
外国法に準拠して設立された機関であることや、日本に代表者等の窓口を置くことが要件案として示された。委員からは、借り手の交渉能力を基準にした対象範囲の明確化、母国当局との連携、実質的支配者の確認、債務再編時の調整、既存の外国銀行との規制バランスを検討すべきとの意見が出た。
事務局は、貸金業法の現行規制では原則として契約前・契約時に書面交付を求める一方、同意があれば電磁的方法での情報提供も可能と説明した。消費者向け規制の成果を維持し、デジタル化では紙の書面を必要とする利用者への配慮や、ウェブ契約の実態確認が必要との意見があった。