7月24日合同部会 議事録
概要
令和8年7月24日に開催された第112回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和8年度第4回薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議。HPVワクチン、新型コロナワクチンその他のワクチンの安全性、RSウイルスワクチンの副反応疑い報告基準改正、医薬品の副反応等報告の評価手法、予防接種データベースに対応した報告様式改正を審議した。
要点
- 新型コロナワクチンについて、集計期間の副反応疑い報告から重大な懸念は認められないと確認した。
- 新型コロナワクチン以外の各ワクチンについても、安全性に重大な懸念は認められないと評価した。
- RSウイルス母子免疫ワクチンの報告基準にギラン・バレー症候群を追加する方針を了承した。
- 副反応疑い報告のαβγ区分は維持し、各区分の説明を見直す方針を承認した。
概要
会議は令和8年7月24日14時から17時までWEB会議で開催され、第112回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会副反応検討部会及び令和8年度第4回薬事審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会の合同会議として進められた。副反応検討部会は9名中7名、安全対策調査会は6名中6名が出席し、会議は成立した。
議題は、HPVワクチンの実施状況と安全性フォローアップ、新型コロナワクチンの副反応疑い報告・死亡事例・心筋炎及び心膜炎疑い・遷延する症状・スパイクタンパク質に関する文献評価、新型コロナワクチン以外の各ワクチンの安全性、RSウイルスワクチンの報告基準、評価手法及び報告様式の改正で構成された。
影響
会議では、新型コロナワクチンについて現状の取扱いを変更する必要はないとし、審議対象となった製剤の安全性に重大な懸念は認められないとの評価を確認した。
予防接種データベースと副反応疑い報告等を連結することで、過去の接種歴、報告後の臨床的転帰、既往歴や併存疾患を踏まえた分析が可能になると説明された。
詳細
HPVワクチンでは、キャッチアップ接種等を含む生まれ年度別の累積初回接種率を確認した。1997年及び1998年生まれは87.7%、88.3%で、2005年度、2008年度、2009年度生まれは54.8%、53.1%、55.1%だった。安全性フォローアップ研究は87協力機関で実施され、新規受診患者数は10人以下で推移していた。
新型コロナワクチンでは、令和8年1月1日から3月31日の副反応疑い報告を製剤別に集計した。コミナティ筋注シリンジ12歳以上用は製造販売業者12例、医療機関6例で、医療機関報告のうち5例が重篤だった。死亡事例、心筋炎・心膜炎疑いは製剤ごとに確認・評価され、集計期間の報告傾向について重大な懸念は認められないとされた。
新型コロナワクチン接種後の遷延する症状調査では、令和6年6月1日から令和7年12月31日に受診した患者等を対象とし、地域連携室から42症例、担当医師から56症例、追跡調査12症例の回答があった。担当医師調査では、転帰確認済み42症例のうち31例が回復または軽快、10例が未回復だった。
ワクチン由来スパイクタンパク質等の文献評価では、約1,200報以上を抽出し、被接種者の生体内でスパイクタンパク質または由来mRNAを検出した文献を29報に絞り込んだ。専門家評価の結果、現時点でスパイクタンパク質が安全性上の直接の問題を示す文献は確認されなかった。
RSウイルス母子免疫ワクチンでは、添付文書の重大な副反応にギラン・バレー症候群が追記されたことを踏まえ、副反応疑い報告基準への追加を審議した。接種後28日以内を報告対象期間とする案が了承され、今後パブリックコメント後に省令改正案を審議する予定とされた。
副反応疑い報告の評価手法は、個別評価と集団的評価を組み合わせる考え方を維持し、αβγの3区分も維持する。その説明は、αを関連性が合理的に示唆されるもの、βを関連性が認められないもの、γをワクチン以外の要因や情報不足等により関連性が不明確なものへ見直す。過去の評価済み症例は再分類しない。
令和8年6月1日の改正予防接種法施行に伴う予防接種データベースの運用開始を踏まえ、副反応疑い報告様式を令和8年7月1日付で改正した。被保険者番号等を用いた識別子の生成、電子処理に適した項目の整備、自由記載欄の縮減を行い、データ連携は令和8年度中の開始を予定している。全自治体への展開は令和10年4月をめどとされた。