米半導体工業会、米国半導体産業の競争力維持へ政策支援強化を提言
概要
米国半導体工業会(SIA)は、米国半導体産業の現状と課題をまとめた2026年版年次報告書を公表した。米国企業の世界市場での優位性や投資拡大を示す一方、研究開発支出の規模、供給網の脆弱性、中国の成熟プロセス半導体の過剰生産を課題として挙げ、国内基盤の強化や同盟国との連携など7分野の政策優先課題を提示した。
要点
- SIAは、国内投資、研究開発、人材確保と、同盟国との市場アクセス確保・供給網強靱化を一体で進める必要があるとの見方を示した。
- 報告書は米国企業の市場優位性と投資拡大を示す一方、研究開発支出や供給網に関する課題も指摘した。
- 政策優先課題は、産業基盤、税制、公的研究、人材、同盟国協力、輸出管理、環境・エネルギー規制の7分野。
概要
米国半導体工業会(SIA)は7月27日、米国半導体産業の現状や課題をまとめた年次報告書「State of the U.S. Semiconductor Industry」の2026年版を公表した。
報告書によると、米国企業は2025年の世界半導体売上高の53.4%を占め、市場シェアは1984年以来最高となった。SIAは、研究開発、半導体設計、先端製造など幅広い分野で米国企業が優位性を持つと指摘した。
影響
SIAは、中国によるガリウム、ゲルマニウム、リン化インジウム、レアアース関連製品の輸出規制や、ホルムズ海峡周辺情勢によるナフサ・ヘリウムの供給制約が半導体製造に影響しているとした。
SIAは、中国での成熟プロセス半導体の過剰生産が市場価格を押し下げ、市場をねじ曲げているとの認識を示した。
詳細
米国半導体企業の2025年の研究開発支出は768億ドルで、前年比10.3%増だったが、中国の官民合計の支出額を下回った。SIAは米政府の研究開発支援と税制措置の重要性を指摘した。
2020年から2025年に、米国内30州で160件以上の半導体関連投資計画が発表され、総額は7,700億ドルを超えた。対象はファブに限らず、後工程、製造装置、材料、研究開発などサプライチェーン全体に及ぶ。
SIAが挙げた7分野は、製造支援と研究開発投資の継続、競争力ある税制の維持、公的研究開発投資の拡充、人材育成と高度人材の受け入れ、同盟国との需要拡大・供給網強靱化、同盟国と協調した慎重な輸出管理・技術規制、環境・エネルギー規制手続きの合理化である。