第4期がん対策推進基本計画の中間評価案を議論

概要

第95回がん対策推進協議会は、第4期がん対策推進基本計画の中間評価報告書案を議論した。ロジックモデルによる評価では、がん死亡率の低下や、がん患者が自分らしい生活を送れていると感じる割合の向上など、全体として一定の成果と改善傾向が示された。一方、患者体験調査の設問変更による判定の解釈、医療アクセス、治験へのアクセス、経済的負担、地域差、質的情報の扱いなどが課題として挙がった。協議会は、指標の継続性を保ちつつ、次期計画で指標・データソース・目標設定・評価方法を再検討し、地域特性を踏まえた取組を進める方向性を確認した。報告書案は修正を検討した上で、令和8年7月に公表予定とされた。

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要点

  • 第95回協議会で第4期計画の中間評価報告書案を議論した。
  • ロジックモデルによる評価で、全体として一定の成果と改善傾向が示された。
  • 指標の限界や経済的負担、医療・治験へのアクセスが課題となった。
  • 報告書は令和8年7月に公表予定とされた。

概要

協議会は令和8年6月18日にハイブリッド開催され、第4期がん対策推進基本計画中間評価報告書案を主要議題とした。

報告書案は、第4期計画の趣旨、中間評価の趣旨、中間評価、「おわりに(第5期基本計画に向けて)」の4章で構成され、分野別の進捗と今後の課題を整理した。

評価結果では、がん予防、がん医療、がんとの共生、それらを支える基盤について取組の進捗と追加対応が必要な課題を整理し、全体として一定の成果と改善傾向が認められた。

主要数値

協議会開催日
令和8年6月18日
がん検診受診率の目標
60%
自分らしい日常生活を送れていると感じるがん患者の割合(ベースライン値)
70.5%
自分らしい日常生活を送れていると感じるがん患者の割合(中間測定値)
79.0%
がん遺伝子パネル検査後の推奨薬剤投与割合の変化
0.4ポイント減少
金銭的負担が原因で生活に影響があった患者の割合(全体)
24.2%
金銭的負担が原因で生活に影響があった患者の割合(若年がん患者)
44.9%
小児がん薬物療法専門家数(ベースライン値から中間測定値)
727人から721人
がん対策推進企業アクション登録企業数の変化
1.4倍

影響

患者や家族にとっては、治療前のセカンドオピニオン、治験、標準治療、緩和ケア、相談支援へのアクセスを改善し、経済的・就労上の負担を把握して支援することが重要になる。

医療機関や関連学会・団体には、均てん化と集約化を両立しながら、病院間連携、高難度手術、がんゲノム医療、専門人材の配置を進めることが求められる。

政策運営では、全国値だけでなく地域差の要因と患者側の移動・治療アクセスを分析し、量的指標だけでは捉えにくいニーズや質的情報も踏まえて施策を改善する必要がある。

詳細

評価では、個別目標に関する全指標の判定一覧を示し、分野別アウトカムは全指標、中間アウトカムとアウトプットはコア指標およびC判定・後退傾向の指標を掲載する方法を採用した。患者体験調査は第2回と第3回で質問紙や選択肢が変わったため、該当指標には「*」を付し、単純な改善・後退とは解釈しない扱いとした。

主な追加・強化候補として、がん検診の個別勧奨、就労状況に応じた受診勧奨、治療前のセカンドオピニオン情報、都道府県の好事例共有、迅速な病診・病病連携、治験アクセス、エキスパートパネルの標準化、高齢者への栄養療法・リハビリテーションが挙げられた。

第5期に向けては、第4期中の指標・評価手法の継続性を確保しつつ、未設定項目の指標化、ロジックモデル上の目標と施策の関連性、データソース、指標ごとの評価方法、目標値や一定水準の設定を再検討する方向が示された。

委員からは、ロジックモデルの説明を報告書に加えること、HPVワクチンの定期予防接種実施率向上、ドラッグラグ・ドラッグロス、小児がん専門人材数の慎重な評価、経済・就労関連指標、AI活用、長期フォローアップ、基本的な緩和ケアの記載を求める意見が出された。

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