第19回基礎研究振興部会の議事録を掲載しました
概要
令和7年9月5日にオンライン開催された第19回科学技術・学術審議会基礎研究振興部会では、ムーンショット型研究開発事業目標3の見直し、英国における研究環境、創発的研究支援事業を議題とした。目標3は汎用自律人型AIロボットに重点を置く案と研究体制の再構築が説明され、英国の研究評価や競争的資金の仕組み、創発事業の採択状況・成果・研究環境整備も紹介された。委員からは、目標設定や評価方法、研究者間連携、事業継続に必要な予算などについて意見が出た。
要点
- 議題は「ムーンショット型研究開発事業 目標3の見直し」「英国における研究環境について」「創発的研究支援事業について」。
- 目標3の評価案は、2030年に汎用自律人型AIロボットのプロトタイプを開発する方向を示した。
- REFの評価比重は、2021年の研究成果60%・impact25%・研究環境15%から、2028年には研究成果50%・impact25%・研究環境25%へ変更される。
- 創発的研究支援事業は、独立前後の研究者に基本7年・最長10年の安定的な資金を提供する。
概要
会議は令和7年9月5日(金曜日)10時00分~12時00分にオンラインで開催された。議事録には、目標3の中間評価に関する説明と意見交換、英国の研究環境に関する委員発表と質疑、創発事業の状況説明と意見交換が記録されている。
影響
創発事業では、採択研究者の49%が昇進・昇格を経験し、39%が新たに定年制ポストを獲得したと説明された。
部会は公開の扱いとされ、議事録を後日委員に送って確認を依頼し、資料とともに公表することが確認された。
詳細
目標3はAIとロボットの共進化により人と共生するロボットを目指し、人生に寄り添う、科学探求を行う、難環境で活動する三つのターゲットを進めてきた。CSTIの評価案は、AI・ロボット研究者の協働、汎用性、社会実装を重視し、目標3の後半5年間を継続する場合はターゲットや研究開発体制などを刷新するよう求めた。文科省・JSTは新たなPDの選定と再公募を検討している。
英国の説明では、UKRI傘下の研究評議会による競争的資金、REFに基づくブロック・グラント、政府等から独立したARIAの資金制度が紹介された。BBSRCの標準研究助成は5年以内・最高200万ポンドで、外部専門家の評価、申請者のリバトル、パネルによる評価と順位付けを経る。資金提供の最終決定はパネルではなく研究評議会が行う。
第1回から第5回までに45都道府県から採択し、海外研究機関に在籍していた採択者は12名。研究環境整備支援は64機関中59機関に実施され、支援内容にはポスト、スペース、研究時間の確保などがある。創発研究者同士の共同研究は約6割が実施している。第7期以降の予算措置はなく、予算確保が課題とされた。