中国農業展望大会2025の概要
農畜産業振興機構（ALIC）が2025年6月27日に発表したレポートによると、中国農業農村部は2025年4月20-21日に中国農業展望大会を開催し、2034年までの10年間の農業展望を示した「中国農業展望報告（2025－2034）」を発表した。本報告はトウモロコシ分野の需給動向と今後の予測を詳細に分析している。
2024年のトウモロコシ需給実績
生産実績:
- 作付面積: 4474万ヘクタール（前年比1.2%増）
- 生産量: 2億9492万トン（前年比2.1%増、過去最高を更新）
- 単収向上と政府の補助金政策により生産者の作付意欲が向上
輸入の大幅減少:
- 輸入量: 1364万トン（前年比49.7%減）
- 国内供給量増加によるトウモロコシ取引価格下落が要因
- 主要輸入先: ブラジル47.4%、ウクライナ33.1%、米国15.2%
消費動向:
- 消費量: 3億1753万トン（前年比3.1%増）
- 飼料向け: 2億2000万トン（前年比2.3%増）
- 工業向け: 7650万トン（前年比6.3%増）
2034年までの需給予測
生産量の継続的増加:
- 2025年: 2億9538万トン（前年比0.2%増）
- 2034年: 3億2015万トン（基準期間比9.7%増）
- 単収向上: 2025年6.6トン/ha → 2034年7.3トン/ha（基準期間比12.0%増）
輸入量の大幅削減:
- 2025年: 700万トン（前年比48.7%減）
- 2034年: 520万トン（基準期間比74.5%減）
- 「一帯一路」関係国からの輸入拡大で特定輸入先への集中リスクを分散
用途別消費量の変化:
- 飼料向け（2034年）: 2億274万トン（基準期間比6.8%減）
- 工業向け（2034年）: 9102万トン（基準期間比24.3%増）
- 食品向け（2034年）: 1243万トン（基準期間比24.3%増）
- 工業向けは加工産業発展、食品向けは食の多様化・健康志向が牽引