消防庁が2025年7月に公表した令和7年6月の熱中症による救急搬送状況について分析したものです。
令和7年6月の月平均気温が気象庁が統計を開始した明治31年以降、6月として最も高くなるなど非常に厳しい暑さとなった結果、全国における熱中症による救急搬送人員は17,229人となり、6月分の調査を開始した平成22年以降で最も多い搬送人員を記録しました。年齢区分別では高齢者(満65歳以上)が最も多く10,342人(60.0%)、次いで成人5,246人(30.4%)、少年1,534人(8.9%)、乳幼児105人(0.6%)の順となっています。初診時における傷病程度別では軽症(外来診療)が最も多く10,750人(62.4%)、中等症(入院診療)6,006人(34.9%)、重症(長期入院)384人(2.2%)となっており、入院が必要な中等症・重症患者が約4割を占めています。
発生場所別では住居が最も多く6,819人(39.6%)、次いで道路3,404人(19.8%)、公衆(屋外)2,012人(11.7%)、仕事場①1,545人(9.0%)の順となっており、屋外での活動時だけでなく住居内での発症も多いことが明らかになっています。特に令和7年は前年の7,275人と比較して2.4倍の搬送人員となっており、6月中旬以降の命にかかわる危険な暑さが大きく影響しています。
消防庁は熱中症を引き起こす猛暑をもはや「災害」と位置づけ、喉の渇きを感じる前のこまめな水分補給、室内の温湿度測定とエアコン・扇風機の適切な使用、屋外作業でのこまめな休憩、熱中症警戒アラート発表時の外出自粛など、基本的な熱中症予防対策の徹底を呼びかけています。
記事は、令和7年6月の熱中症による救急搬送が過去最多となったことを受け、屋内外や昼夜を問わず徹底した予防対策の重要性を示しています。