総務省の最新発表によると、自治大学校で実施されている地方自治体監査実務研修の内容を紹介する資料が公開された。本資料は前編として、地方自治体における監査制度の現状と課題、効果的な監査手法について、実務担当者向けに体系的にまとめられている。近年の地方自治法改正により、監査制度の充実強化が図られる中、監査委員や監査事務局職員の専門性向上が急務となっている。
研修内容では、財務監査、行政監査、財政援助団体等監査、住民監査請求など、各種監査の実施方法と留意点が詳細に解説されている。特に、リスクアプローチに基づく監査計画の策定、内部統制制度との連携、ICTを活用した監査技術の導入などの新たな手法が重点的に取り上げられている。また、監査結果の報告における指摘事項と意見の区別、改善措置のフォローアップ、監査の独立性確保などの実務的課題についても具体例を交えて説明されている。
さらに、監査実務における共通の課題として、監査資源の制約、専門知識の不足、首長部局との関係性などが挙げられ、これらへの対応策が提示されている。総務省は、本研修を通じて地方自治体の監査機能の強化を図り、住民の信頼に応える行政運営の実現を支援していくとしている。後編では、具体的な監査事例の分析と演習問題が予定されている。