厚生労働省が令和7年7月分の毎月勤労統計調査結果速報を公表し、賃金上昇の継続と実質賃金のプラス転換が確認されました。
名目賃金の動向(事業所規模5人以上)
現金給与総額
- 419,668円(前年同月比4.1%増)
- 規模30人以上:479,691円(4.3%増)
- 一般労働者:555,326円(4.6%増)
- パートタイム労働者:118,204円(2.7%増)
給与の内訳
- きまって支給する給与:291,050円(2.6%増)
- 所定内給与:270,827円(2.5%増)
- 特別に支払われた給与:128,618円(7.9%増)
実質賃金の動向
実質賃金指数(令和2年平均=100)
- 持家の帰属家賃を除く総合CPI調整:115.6(前年同月比0.5%増)
- 総合CPI調整:117.8(前年同月比1.0%増)
参考:消費者物価指数
- 持家の帰属家賃を除く総合:前年同月比3.6%上昇
- 総合:前年同月比3.1%上昇
パートタイム労働者の状況
給与水準
- 現金給与総額:118,204円(2.7%増)
- 所定内給与:108,727円(2.5%増)
- 時間当たり給与(所定内):1,382円(3.2%増)
共通事業所による賃金動向
前年同月と本年同月の両方で集計対象となった事業所(共通事業所)の賃金変化:
就業形態計
- 現金給与総額:2.9%増
- 所定内給与:2.4%増
一般労働者
- 現金給与総額:3.0%増
- 所定内給与:2.4%増
パートタイム労働者
- 現金給与総額:3.1%増
- 所定内給与:3.6%増
調査実施状況
- 調査対象事業所数:32,699事業所
- 回答事業所数:22,193事業所
- 回収率:67.9%
統計の意義と注目点
7月の結果は、春闘での賃上げ効果と夏季賞与の支給により、特別に支払われた給与が7.9%増と大きく伸びたことが特徴的です。実質賃金が2か月連続でプラスに転じたことは、物価上昇を上回る賃金上昇が実現していることを示しています。
パートタイム労働者の時間当たり給与が3.2%上昇していることは、最低賃金引き上げや労働需給の逼迫を反映しています。共通事業所による比較では、パートタイム労働者の所定内給与が3.6%増と一般労働者を上回っており、待遇改善が進んでいることがわかります。