SDG14（海洋）をテーマとした海洋政策に関する総合的な情報について紹介したものです。この記事は笹川平和財団海洋政策研究所が2025年7月20日に発行した「Ocean Newsletter第595号」で、海洋の重要性を広く認識してもらうための月刊情報誌として継続的に発行されています。第595号は特にSDG14（持続可能な開発目標14：海の豊かさを守ろう）を特集テーマとして、国際的な海洋科学・政策の最新動向を扱っています。
本号では4本の主要記事が掲載されており、まず米国ウッズホール海洋研究所所長のPeter B. de MENOCAL氏による「海洋科学と政策の結節点─国連海洋会議からその先へ」では、国際的な海洋ガバナンスと科学的知見の政策への反映について論じています。次に、東京科学大学副学長の阪口啓氏と特任専門員の渡邉文夫氏による「東京科学大学が推進するスマートオーシャンの未来」では、デジタル技術を活用した海洋観測・管理システムの展開について解説しています。
また、株式会社ピリカ代表取締役の小嶌不二夫氏による「ITで海洋ごみ問題に挑む～データの可視化がもたらす変革～」では、情報技術を活用した海洋プラスチック汚染対策の革新的取り組みが紹介されています。さらに、愛知県西尾市交流共創部佐久島振興課課長補佐の三矢由紀子氏による「佐久島の海を守る～子どもたちが主体で行うアマモの保全活動～」では、地域レベルでの海洋環境保全活動の実践事例が報告されています。
この号は、グローバルレベルからローカルレベルまで、様々な主体による海洋保全・活用の取り組みを包括的に紹介し、SDG14の達成に向けた多層的なアプローチの重要性を示しています。記事は、海洋問題の解決には科学技術革新、国際協力、地域コミュニティの参画が不可欠であり、これらの連携強化が持続可能な海洋の未来を実現する鍵であると結論づけています。