金融安定理事会(FSB)が2025年7月9日に公表した、ノンバンク金融仲介(NBFI)におけるレバレッジに関する最終報告書についての発表です。
FSBは、銀行以外の金融仲介機関(投資ファンド、保険会社、年金基金、ヘッジファンドなど)におけるレバレッジの動向とそれに伴う金融システムへの脆弱性について分析を進めてきました。この取り組みは、2023年9月に公表された「ノンバンク金融仲介(NBFI)におけるレバレッジの金融安定上のインプリケーション」という報告書から始まり、その後の詳細な検討を経て今回の最終報告書に至っています。
最終報告書の策定にあたり、FSBは2024年12月に市中協議を実施しました。この協議では、NBFIにおけるレバレッジから発生する金融安定上のリスクをモニタリングし、対処するための政策勧告が提案されました。市場参加者や各国の規制当局、その他の関係者から寄せられた意見を踏まえ、政策勧告の内容が精査・修正されています。
本報告書では、NBFIのレバレッジが金融システムに与える潜在的なリスクを特定し、これらのリスクを適切に管理するための包括的な枠組みを提示しています。特に、レバレッジの測定方法の標準化、リスクモニタリングの強化、規制・監督アプローチの改善などについて具体的な勧告が含まれています。
FSBのこの取り組みは、2008年の世界金融危機以降、銀行セクター以外の金融仲介活動が急速に拡大していることを背景としています。NBFIセクターの成長は金融システムの多様化に貢献する一方で、新たなリスクの源泉となる可能性もあるため、適切な監視と規制が必要とされています。本報告書は、国際的な金融安定の維持・強化に向けた重要な一歩として位置づけられています。