環境省のグリーンファイナンスポータルが公表したグリーンローンの市場普及状況によると、国内グリーンローン市場は2018年の初組成以降、着実な成長を続けている。2023年には過去最高の8,420億円を記録し、2024年は6,230億円、2025年は8月時点で2,850億円となっている。
グリーンローンの資金使途は再生可能エネルギー事業が最も多く、次いで省エネルギー建築物、クリーン運輸、汚染防止と続く。地域金融機関の参画も活発化しており、地方創生との連携事例も増加している。
国際的には、Climate Bonds Initiativeのデータによると、世界のグリーンローン市場は2023年に1,500億ドルを超え、欧州が最大の市場となっている。日本はアジア太平洋地域でトップクラスの規模を誇る。
今後の課題として、グリーンウォッシング防止のための第三者評価の徹底、中小企業向けグリーンローンの拡大、トランジション・ファイナンスとの連携強化などが挙げられている。環境省は2050年カーボンニュートラルに向けて、グリーンファイナンス市場の更なる拡大を支援していく方針だ。